誰でも人生のうちで、一度や二度、死にそうになったことはあると思う。わたしは、はしかのワクチン接種後に、その副反応で生死をさまよったらしい。
「覚悟しておいてください」と、医者から言われた母は、「どんなことがあっても死なせない」と、わたしを一晩中抱きしめていた、と言う。
ただ、悪夢を何度も見る。母にぎゅうーっと抱きしめられて、喉が乾いてカラカラで声も出ず、母親から逃れようとして暴れれば暴れるほど母親がぎゅうーっと抱きしめてくるという夢。それが現実に起こった事だったかもしれない。
きっと、そこから逃れられたら、その時はわたしは死ぬ時なんだと思う。
その次は、アレルギーショックで救急車で運ばれた。このときは、順番から言うと、最初に呂律が回らなくなる、肺が固くなる感覚があって息が吸えなくなる、心臓が縮む感覚があって、手足が麻痺して動かなくなる、脳がキューっと痺れてくる、視界がだんだん白くなって見えなくなってくる、『寒い、死ぬかもな』と思う。
死ぬ瞬間までを鮮明に覚えていようと、脳はそれを記録しようとするもんなんだと思う。
あとは、気管支喘息の発作が前よりは随分回数が少なくなって来たし、時期も限定されては来たけど、やっぱりこの発作は一生続くんだと思う。オトモダチだ。今日も足の裏が地球に着いている、このことが有り難い。
母親の胎内に居る時から、今の今まで、死ぬ瞬間までを脳は記録しようとしてる。
子供にとって、父親母親含め大人達の言動は、一番大切な部分に全て記録されていて生き方の光となったり影となったりしている。
子供の目や耳は、神様に通じているんだと思う。幼ければ幼いほど、心と脳が近い気がする。だから大人は、大人になるほど恐れた方がいい。
いつでも飛び立てるのは子供で、大人じゃない。
きっと忘れない
って、思った出来事があったかなぁ…
早く忘れちゃいたいと思うタチかも。
できるだけ、身軽がいい。
思い出したくない事は雑音。
雑音が入ってる間は、アンテナをグリグリ回したところで、大して変わらないからほっといていい。
『何処かの空は雷雨なんだろうな』、そう思っていい。雑音が入ろうが自分自身には影響ない、そのうち晴れる。
思い出も少ない方がいい。持ち物は少なく軽い方がいい。取りに戻ることは出来ないんだから、忘れちゃっていい。
今日は夫は休みを取り、朝早くから皮膚科へ車で行った。わたしも休みで風呂掃除、トイレ掃除、掃除機掛けなどしてから昼前に車で買い物へ出かけた。
片側1車線の国道で、すれ違いざまに窓から手を出して振ってくれた人が居た。
夫。。
それからスーパーの駐車場に付く頃LINEが入り、『今すれ違ったね』と。
可愛い人だなと思う。
でも案外プライドが高くて、可愛いとか言うとムッとされる。
なので、帰ってから「なんか、うれしかったょ」と伝えた。夫はクフン♪と笑った。
『うれしかったょ』って、言ってもらうのが、夫は好きみたい。遠くの夜景のぼんやりした灯りとかも好きみたいだし、夫の中身は乙女っぽい。案外、男性の方が乙女ゴコロをずっと持っているのかもしれん。
わたしの中身は男勝りで、ママ友に、「男の中の男だね」と言われた事がある。そっちの方が大問題で、わたしとしては、『あなたが居なければ生きていけないょ』ってオーラが出てる女性にちょっぴり憧れる。
とてもじゃないけど真似っこできない。
【なぜ泣くの?って聞かれたから】、答えるって卑怯だと思う………
わたしなら、ひとりきりで泣くし、理由など聞かれたくない。
それか、「もぉーー泣きたい!」って言っちゃう。だいたいその場合は、泣いたりしない。笑うか、怒るかになる。
やっぱり、わたしは男勝り。
でもこの性格、わりと気に入ってる、わりと。
今日もトマトの枝に見つけた、エメラルドグリーンのスズメガの幼虫。節目節目がキイロの筋で、質感がうっすらポツポツしてる、胡麻みたいな点々があった。枝にしがみついてる足………ムクムクしてる。
指ツンしてみたけど、動かない。人差し指で撫でてみたけど動かない。
枝ごと切ってもずしりと重く、昨日の2匹より重かった。雑木林に枝ごと置いてきた。あの大きさだと、そろそろ土に潜りたいんじゃないだろうか。暑いしね。
あばよ!
ビッグエメラルド!
どうぜ生まれてきたのなら、いろんなものに触れてみたい。みんなが可愛いと思う、可愛いのが当たり前のもを撫でるより、ずっと価値がある気がする。
受け入れ難きものを、受け入れる事の難しさ。今度は、手の平に乗せて質感と温度を確かめてみよう。生きている限り、これからもいろんな場面で『気持ち悪い』に、遭遇すると思う。それは、息を引き取る瞬間まで、だ。死んだらそれは起こらない。
とりあえず、今日は指先にぷよぷよした感触が残った。柔らかかった。
自分が生まれて来た意味は、自分で決めていいと思う、どんな人間も必ず死んだら必ず神様の前に行く、そして、答え合わせをする。
『地獄』、なんて都合のいい『場所』は無い。あるとすれば、痛くも痒くもない声も無い誰も居ない何も見えない、言いたいことは山ほど浮かぶのに、永遠に何からも無視され続けるだけの事。
どんな人間も、今までもこれからも生まれ変わるなんて事は無い。ただこの瞬間のみ。
夕方、トマトの木に水をあげようかと思ったら、またイモムシが居た。今日はチョコレートイロ。昨日のレモンイエローもまだ居た。
恐る恐る検索してみると、『スズメガ』という昆虫だった。土に潜って蛹になる。
無害で、可愛いとかカッコイイとか書いてあって、幼虫や成虫を掌に乗せている画像もあった。よくわからないけど、枝ごと切って、もっと緑のある雑木林に置いてきた。
大きくなれよ!
レモンにチョコ!あばよ!
スズメガの幼虫との出会い…
刺激的だった。可愛い……とはまだ思えないけど、ころそうとは思わない。正体がわかったからもう怖くない。明日は何色のを見つけちゃうかな。
もう夏は終わってる。