君の背中
私は男の背中を見るのが好きだ。
顔より背中の方が好きな事もある。
肉厚でガシッとして堂々としている。この背中についてくればなんにも心配いらないよって語っている。
絶対迷子にならないし不安にさせないと。
静かにたたずみ皆を見守るその背中に見惚れてしまう。
いつまでも見とれていたっけ…。
遠くから見つめていたら、突然振り返ったあなたの不思議そうな顔。
ねぇ、あなたの本心が背中にみえたら私は喜び?悲しみ?それとも…
遠く…
毎日おはよう…おやすみ、また明日
手を伸ばせばしっかり手を握ってくれて、あなたの温かい大きな手とまなざしが私の心を包み込んでくれた。
まだ私の手はあなたの背中の肌触りやホクロの位置も覚えてる。
何ものも入る隙間がないほど、私達はひとつになって生きていたね。
今遠く離れ2人の間に吹雪が吹き荒れている。身も心も凍えそう。
でもわかったの。
今の方があなたを近く感じることを
心で思っただけで、空にあなたを呼ぶだけで夢にでてきてくれる。
いつもあなたを感じている。
遠く近く…
誰も知らない秘密
誰も知らないから秘密と言う。
誰にでも子供でさえあるであろう秘密の事。
子供の時の秘密を一生抱えて生きることもあるだろう。
忘れたつもりの秘密も、押しつぶされそうな秘密も、誰にも言えず苦しむ事もあるだろう。
言えば楽になるのか?
忘れ去って無いことになれば秘密ではなくなる?
何年も忘れていたのに突然夢に現れる事がまま、ある。
リアルに突きつけられてフラッシュバック、なぜ、今?自分の何が呼び出した?
墓場まで持っていくと言ったあの秘密も、死ねば忘れられるの?それとも次の世までついてくるの?
自分の身体の細胞に入り込んだ誰も知らない秘密を、もう一人の自分だけが知っている。今日も知らないフリ、平気な顔で生きていく。
静かな夜明け
今思えば楽しい日々だった。
慟哭し泣き腫らした夜の孤独な日々も…笑うことや夢見ることを忘れていた日々も。
そんな日々があったから、お日様がじんわり暖かく希望を与えてくれる。
特に何もないけど、明るい日差しの中で青空を見上げ深呼吸する。
胸一杯の太陽の香り。それだけで生きていて良かったと…もう少し生きていようと、思えるのだ。
人間て単純でかわいいものなのだ。
嵐の後風がやみ、暗闇は次第に群青の空へそして薄紫から赤みがさして静かに夜明けが訪れる。
面白がって全てを受け流す。
笑い飛ばしてしまおう、バカな自分を。平気なフリで生きるには難しいけど…今、最後の夜が、静かに明けてゆく。
バイバイ
生まれてから今迄どれくらいバイバイと言ってきただろう。
笑顔で…無表情で…泣き顔で…。
1番辛かったバイバイは何だった?
人との別れはさだめだから諦めもつく。
自分自身…それも誰かに恋をしてドキドキしてキュンとして苦しくなって…そんな恋心にもう2度と出会うことが叶わない、淋しい自分自身にバイバイした時、1番悲しかった。
未来はわからないと言うけど、枯れてしまった葉っぱは風に吹かれて飛んで行くだけ。バイバイと…。