『本日天気は晴れ、西の風時に強まるでしょう。変わって南部地方は…』
ポータブルラジオのちょっと荒い音声を聞きながら砂浜を歩く。
天気予報の放送が終わってラジオの電源を切ってデッキブラシに跨る。
波音に耳を澄ませて風の流れを読む。
ふわっと浮き上がって空へ上がっていく。
街のシンボルとも言える時計台の方向へ向きを合わせて風任せに飛んでいく。
(波音に耳を澄ませて)
魔女の宅急便のオマージュ、時々Chillしに来てるのかな?
一閃。
横凪に放った斬撃は青空を写す残像となって青い風にも見えた。
だが、青い風は巨木を前に消えている。
巨木の硬度に負けた斧は柄が折れ、そのまま宙を舞ってすぐ横の池に沈んで行った。
これではこの後の仕事ができない。
手元に残った折れた柄で肩をトントンしながら新しい斧を取りに歩き出す。
池の水面はもう凪いでいた。
(青い風)
金の斧銀の斧のオマージュ、池の女神様出てこないバージョン。
♪いい日〜旅立ち〜
なんて口ずさみながらどんぶらこっこと流される。
遠くへ行きたいとは思っていないが流されている。
出来れば早いとこ誰か助けてくれんかな?と思いつつも流れに身を任せどんぶらこっこと遠くへ行く。
(遠くへ行きたい)
桃太郎のオマージュ、桃の中でこんな感じだったようです。
「そこにあるのは世界の物語の核となるクリスタルだ」
そう言われ、宙に浮くクリスタルをへ目線を移す。
幾本もの線、幾つもの点、幾つもの光で構成されたそれは、どのような形状をしているか分からないが、輝きはクリスタルというのが相応しいように思えた。
「あそこから幾つもの物語が出たり入ったりしている。君の作ったオマージュとやらも」
そう言われても、出入りしている実感は無い。
「そろそろ出ようか」
そう促される声と共に目が覚めた。
夢とはいえなかなか妙に実体がある夢だったな。
(クリスタル)
日々の物語の行方の夢。
「ん〜、やっぱり夏は焼肉だな。この炭の燃える香り、夏の匂い代表じゃないか」
「あの、イヌさん、この肉は…」
「うん?鶏肉だよ?」
「キジの姿がさっきから見えないのは?」
「…………」
「なんで黙って…」
「ん?サル変な顔してどうした?」
「あれ?キジ?なんで?」
「トイレ行ってただけだけど、あ、もう焼きます?」
「…………」
(夏の匂い)
桃太郎のオマージュ、早とちりしたサルのようす。