「次っ!!」
号令とともに全力で風を起こす。
強く鋭く吹き抜ける風を目指して懸命に吹き続ける。
「そこまでっ!!」
ゼェゼェ、ハァハァ。
「この程度で疲れていたら旅人のコートに勝てんぞ!!さぁ立て!!もう一度だ!!」
さっきよりもっと強く鋭く吹き抜ける風を起こす。
太陽との勝負の日まで練習は続く。
(吹き抜ける風)
北風と太陽のオマージュ、北風さん寒いから程々にしてもらって。
「ピノキオや…、あぁ、またやってしまった。これは幻覚なのだ」
クジラの腹の中で灯したランタンに浮かぶ記憶の風景。
寂しさのあまり幻覚と現実の境が少し曖昧になっている。
「ランタンを見ているとダメだな。消しておこう」
(記憶のランタン)
ピノキオのオマージュ、ジェペットじいさんのランタン。
「さぁさぁこの薪をたっぷり背負って」
背負子のバランスを確かめながらゆっくり薪を運ぶ。
カチカチ音が鳴ってるけどなんだろう?
「何か鳴ってるのはなんだい?」
「ああ、多分カチカチ鳥だよ」
「聞いたことない鳥だなぁ」
その後もカチカチ鳴ってるけれど、カチカチ鳥の姿はついに見えず家まで辿り着いちゃった。
薪を納屋へ積み上げて冬へ備える。
「さぁさぁ、次の薪を運びに行こう」
(冬へ)
カチカチ山のオマージュ、たっぷり運ばないとね。
「月からの使者が来たら、私は月へと帰らねばなりません」
そう言って庭に出て数時間。
君を照らす月の明かりはもう少しで山に沈んで、しばらくしたら夜が明けそうだけど。
「今日じゃ無かったかしら?」
部屋に戻ってきてちょっと気まずそうにしながら朝ごはんの用意を始めるかぐや姫なのでした。
(君を照らす月)
かぐや姫のオマージュ、地球から月までの平均距離は約38万4400kmなので時間かかるようですよ。
枯れ木に花を咲かせましょと調子に乗って咲かせた後が大変だった。
花が散って葉っぱが育って木漏れ日を落とした葉が散ってまた枯れ木に戻って。
残念だけど伐採しないといけない。
ノコギリを当てて、しばらく動けなかった。
木漏れ日の跡を思い出し切る事を躊躇う。
(木漏れ日の跡)
花咲かじいさんのオマージュ、切った後はしっかり乾燥させましょう。