6/1/2024, 12:43:19 PM
『梅雨』
僕はこの季節が嫌いだ。
だけどほんのちょっとだけ好きな頃があった。
あの頃、僕達はなんでも出来る気がしてた。
頑張れば夢は叶うもんだと思ってたし
空だって、今よりもっとずっと近かった。
そうつまり、僕達は子供だった。
庭に咲いてる名前も知らない花も可憐に見えたし、
あの子が世界でいちばん可愛く見えた。
僕の世界の全てだった。
あの子が僕の名前を呼ぶのが好きだった。
あの子が呼ぶとなんだか特別に思えた。
雨の日は、傘もささずに外を走り回るあの子を見るのが
僕は好きだった。笑うあの子をずっと見ていたかった。
やっぱりこの季節が嫌いだ。
服も靴もびしょびしょになるし、ジメジメするし
頭は痛いし、なんとなく気怠いし。
それに、 つまらないことを思い出してしまう。
5/25/2024, 1:24:00 PM
お元気ですか。
こちらは梅雨入りしたばかりで大雨が続く日々です。
紺色の傘を見ると、左肩を濡らしたあの日の
貴方を思い出します。
あの時、雨が止まなければいいのにって呟いた僕を
貴方が盛大に笑ったの覚えていますか?
馬鹿みたいだけど、あの時は本気でそう思って
いたので少しムキになって怒ってしまったこと、
今更だけどごめんなさい。
僕だけが必死に貴方との関係を繋ぎとめているのだと
子供ながらに悲しく思ったのです。
あの頃の僕は貴方の言った通り子供でした。
P.S.
大人になると決めました。
貴方に手紙を書くのはこれで最後にします。
体には気をつけて。どうかお元気で。
/降り止まない雨