たくちー

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10/22/2025, 7:14:55 PM

 自動販売機にHOTが売られておらず、急激な気温の変化に冷やし中華の看板は未だ取り残されていた。
石油の定期配達の連絡や冬タイヤへの切り替えも必要になってくる。秋風のように忙しなく冬の装いをする紅葉樹は足元に夏の名残を散乱させていた。区間賞を取る勢いで秋風が冬の季節にバトンを渡すだろう。
そのペースは年々速まっている。



題『秋風🍂』

10/21/2025, 7:11:35 PM

 常に苦しくて倒れそうな気がする。5回以上にわたる執拗なトラウマの侵略行為に対して、ラジオ塔が強烈な防衛本能を発揮して全チャンネルを緊急不安速報に切り替える。何か楽しい話が聞きたいのにダイヤルを回してもザーザーと心を掻き立てるノイズ音しか鳴らさない。不安のゴールデンタイムは常に精神を煽るだけだ。幸福の扉は開きっぱなしになっているが、数年未発生なことが今日は起きる予感がする。


題『予感』

10/20/2025, 7:10:04 PM

 The friends は僕のエゴに粉末状にした乾燥ムカデを振りかけるような日常のスパイス全般だ。その意味では「人間限定」ではなくてカメムシも食用タランチュラも変わらない。フードプロセッサーにかける。同じ見た目でカップラーメンの粉末に混ぜても気づかない。お腹を満たしてくれるならfriendsだよ。


題『friends』

10/19/2025, 7:19:17 PM

[第1章: 夢想歌。願う未来へと繋がる不確定な未来]

 君の歌は封印された古代の兵器を動かす鍵だった。だから王国中枢の部屋に閉じ込められていた。そんな君が可哀想で外の世界を見せてあげたくて、こっそり部屋から連れ出した。君の歌は次期国王を決める争いの中で未来への恐怖に怯えた足枷を外す勇気をくれた。それなのに、君のこと守ってあげれなかった。
 君がいなくなって数日後、光の粒子が遥か彼方の大陸から山を削りながら放たれた。目の前が光に包まれる瞬間、君の泣きそうな笑顔が見えた気がした。巨大なクレーターが出来上がり、一つの大国が消滅した。

君が紡いだ歌を忘れない。



題『君が紡ぐ歌』

10/18/2025, 6:55:51 PM

 提灯アンコウはゆらゆらと尾鰭を揺らして霧の中を泳いでいた。光と霧の狭間で、安牌に見せかけて黙テンしている。だがそれは狡猾な罠である。恐怖に抗う為に目先の光に飛び込む獲物は後を絶たない。
光の照らす場所は安全とは限らない。


題『光と霧の狭間で』

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