太陽のような笑顔って なんなの?
あの子は、太陽のような笑顔って よくいわれるけど
太陽なら、明るいだけじゃない
ものすごく眩しくて
ものすごく熱いの
まちを歩こうとおもって
お気にいりの、雲のいろをしたスニーカーを履いて
がららっと 戸を開けた
まちのすずしい空は、青いピンクと、むらさきに染まってた
電柱が、からすのような影をつくり、街灯のひかりは、冷たい月のいろをしていた
なんだか、寂しくなった
今日とお別れだね
今日は2度と、ここに来ないよね
今日のおうちはここじゃない
今日にさよならをしなくちゃね
バレンタインチョコレートを渡そうと思ったの
鞄のおもさは変わらなかったわ
…え?
渡せたわよ。
だって、持ってかえるものは増えるじゃない。
アノコが気になってた。
私は独りだった。
鳥籠のなかの、ちいさなコネコみたいだった。
みんなは独りじゃなかった。
みんなは、雨あがりの虹みたいないろの、ぷかぷか浮かぶ しゃぼん玉に入っているみたいだった。
しゃぼん玉は、しゃぼん玉どうしがくっ付いて、どんどん大きくなっていく。
しゃぼん玉は、コネコの鳥籠には入れない。
鳥籠のなかのコネコは、しゃぼん玉を眺めることしかできなかった。
…私は、独りぼっちだった。
でも、アノコは違うみたい。
アノコも独りぼっちだけど、私の独りぼっちとは違うみたい。
アノコは、鳥籠のそとの、ちいさなコネコみたい。
ノラネコみたいに、自由なコ。
アノコが羨ましい。
…そんな、小さな妄想にふけって、私は鉄の柵から校庭をみおろした。
少し、ちいさく、振り返ってみた。
アノコは、こっちを見つめている。
この気持ちを伝えたい。
学校の昼休み、アナタはいつも、ここの屋上で過ごしているね
アナタのいる屋上は、心地よい風がながれていて 幸せだった
風にふれた、つめたい鉄の柵から 校庭をながめるふりをして、
私は…とおくにいたアナタの、空のように うつくしい、澄んだ横顔をみていたよ
私は、この場所がすきなの
あたたかい風にいだかれているような、説明がつかないような安心感がすきなんだ
アナタは、きっと私の事はみてくれないと想うけど、
私は、アナタを… 目立たないところから、ひっそり見つめているだけでも いいんだ
それだけで、きっと幸せだよ