『視えない温度』
温度を揃えたがる私たち
温かく優しい言葉を好む
冷えた刺々しい行動を嫌う
あの日の君には
温かい温度はあっても心は
既にうわの空だったでしょ?
だから冬は嫌い
涼しい場所から観る花火がいいように
イルミネーションに喜ぶ人が蛾のように
大人ってこんなんばかりよ
人にはそれぞれ役割があるけど
役割だけの関係なら縁じゃないと思っている
全ての人に敬意を持てない
その時間は一生じゃ足りないとあきらめている
伝える相手に合わせての言葉や言葉遣いは
育ってきた環境と人間性を感じられる
ヒトの心は目には見えない
そのヒトやその場の香りも何千何万通り以上ある
香りも目には見えない
柔軟剤の作られた香りや換気扇から流れる家庭の香り
スッと吸える田舎の空気や潮風を感じる浜の空気
最近の趣味は香り探しです。
キンモクセイの香りも
まだ知らない人として生きる者より
『りんご』
皮がついていても
皮がなくても
好きと言ってくれるってがいる
皮の剥き方にこだわるヒト
身の分け方にこだわるヒト
綺麗に薄く切り取られているか
身の部分に褐変はできていないか
全て苦手な人が武骨に一欠片仕上げた時
4欠片目に飾り切りを施すのをやめた
皮付きの種側だけとったものを提供した
あとがき
書きたいことは、これじゃないものに気づかされたんだけどなぁ。
『二面性時代の終わり』
光を浴びて、影ができる、
光は当たっているけれど陰る部分
影の部分が多くてかすかに光る所
他にもたくさんの陰陽があるはず。
私は四季を重んじる。季語という言葉に助けてもらう
1日は24時間で6時間づつ分けると4になる
ヒトは3つの例えを出しがちだが
4つの時のほうが印象に残りやすい
ほら?
光が当たって輝いてるところだけが主役じゃない
影の部分でも、かすかに光を感じるところでも、
適材適所を見つけて、自分の物語を書けばいい。
あとがき
言葉を借りてお話すると、人間って何通りも形容詞が付く。人間だけでなくいろんな物事がすべてそうだと思います。そういう、あらゆる現象が見る角度によって全然違って見えることについて、前々から興味があったんです。
『虹』
記憶というのは、浅はかで曖昧でとても美しい
記憶というものは、浅はかで曖昧でとても淋しい
寂しいと淋しいくらいには、曖昧でとても風情だ
はらはら散る強風の中の夜桜も綺麗だね
学生時代の夏に見た花火大会に一緒に行ったっけ?
いつもタイミングが合わないのわたしたちみたい
イルミネーションより三角チョコパイの季節でしょ
記憶というのは、浅はかで曖昧でとても美しい
記憶というものは、浅はかで曖昧でとても淋しい
一瞬の思い出がいつまでも美しくあってほしい反面
美しいと思うことほどすぐに消えてしまうのは、
きっとまだ解明されていないヒトの脳みそだから
あとがき
神の手はにじむピンクという歌詞が神の手は虹色ピンクだと勘違いしていて出来た文章なんてことがあってはならないと強く思いましたね。