【贈り物の中身】
朝目を覚ますと枕元には
真っ赤なリボンに包まれた小さな箱
ドキドキとわくわく
ふたつが鬩(せめ)ぎ合い
私はリボンを引っ張った
箱のフタを開ける
中には
キラキラと輝くシルバーリング
私はそっと指に嵌めた
手を掲げる
陽に当たって更にヒカリを増した
私嬉しさにそれを抱き締めた
【凍てつく星空】
全てを凍らせてしまえば
私は私が孤独だと気付かなくて済むと思った
家族 友達 恋人
私にはそれらとどう付き合えば良いのかわからない
皆が当たり前にしていることを
私は出来なかった
だから私は全てを凍らせた
そうすれば私は独り
何も変わらない
あの星ぼしも皆凍らせよう
私は独りで良い
孤独だと気付かせないで
何もなかったらそれが当たり前だと
思えるから
【心の深呼吸】
ストレスがたまるこの時代
文明が開化する事に
私達の心は蝕まれ続ける
誰も信用できず頼れず
神経を磨り減らし
今日を生きてる
何処にも居場所がない
何処にも行けない
あなたもあなたもあなたも
いい人の仮面をつけて
裏では人を見下して
踏みつけて踏みつけて
心を殺す
誰にも助けてもらえない
私はもう潰されそうで
それでも一握りの偽善に手を伸ばした
少しでも息を吐き出して
新しい息吹を吸い込むの
ああ私はまだ生きている
苦しくても辛くても
私はここでまだ生きている
【時を繋ぐ糸】
文通 ポケベル メール LINE
時代が変わり
人を繋ぐ文明も変わった
時の流れとは不思議なもの
【君が隠した鍵】
何で?意味が分からない
目が覚めると君は消えていた
今が朝なのか夜なのか
それすらも分からない
ただ手紙が置いてあった
内容は…
"僕を探して"
本当に意味が分からない
どうして?さっきまで一緒に居たのに
私は急いで玄関を開け駆け出した
何処に居るかも分からぬまま
走り出す
そうすれば貴方にまた会えるような気がして
夜空が私を照らす
月が不気味に微笑む
これから貴方を探す旅が始まる