『記憶のランタン』
あなたと過ごした日々だけが、
私の心を暖かくしている。
もう何年も経って、灯りは弱くなっているけど、
まだ消える様子は伺えない。
もう何年も経つのに、
あなたがいた日々が恋しくて、
あなたのいない日々は寂しくて仕方がない。
私もそちらに連れて行って。
『冬へ』
日が短くなって、北風が強まって、
木の葉は風に舞って、あなたの手にはカイロがあって。
少しずつ少しずつ、冬へ冬へと、変わっていて、
もう今年が終わりを告げようとしている。
あたり一面クリスマスカラーで、
その波に乗って少し浮かれている。
クリスマスの日に、あなたが横にいたら嬉しいのに。
いつかのお正月には、
こたつでみかんを一緒に食べたいな。
『君を照らす月』
私とあなた2人、電車までの僅かな道を歩いている。
ちょうど東の方向には満月が登ってきた。
少しだけ前を歩くあなたは月の光を浴びて、
いつも以上にきらきらしているように見える。
お月様、どうか私の恋を応援してください。
ほんの少しの勇気をください。
いい報告をしてみせます。
『木漏れ日の痕』
日差しが暖かかったから散歩をした。
暖かいところで寝ているイメージのある猫が、
何故か木陰で寝ていた。
なんでだろうなーって、
近くのベンチに座って考えてた。
たぶん、
寝る前はちょうど木漏れ日が当たってたんだけど、
時間が経って日が当たらなくなったのかなって。
最近疲れてたけど、癒された。
『ささやかな約束』
記憶にあるかないかくらい昔にした約束、覚えてる?
本当に小さな、1日経てば忘れちゃうほど、
とてもささいな約束だった。
私は1日たりとも忘れたことはないんだよ。
そのくらい、私にとっては大切で暖かいもの。
これまでの私の心を灯してくれてた。
あなたは遠くへ行ってしまって、
もうこの灯火は消えてしまいそう。
最期に、私に逢いに来てくれませんか?