『街へ』
私は田舎に住んでいて、
町には本屋さんが少しだけある。
あまり大きくはないけど、行くのが楽しみだった。
最近、そのうちの3つが閉店をしてしまった。
かなしいけど、仕方がないのかもしれないと思う。
欲しい本がなかったり時間がなかったりすると、
直接本屋さんに行くことは
どうしても少なくなってしまう。
私も大きい街の本屋さんへ浮気をしてしまう。
世の中の流れに、少し寂しさを覚える今日この頃。
『優しさ』
昔から優しいねってよく言われた。
私には理解が出来なかった。
自分は優しいと思ってなかったし、
どう反応していいか分からなくて愛想笑いしてた。
優しさってなんだろう。
正解がないからこういうのは苦手。
誰かに優しいと思われたい訳じゃない。
せめて、
自分には優しく出来るようになりたいと思う。
『ミッドナイト』
鐘の音が聞こえた気がした。
私の魔法は解けてしまった。
ハッピーエンドに出来なかった。
せっかくのチャンスだったのに。
たくさん泣いた。
声が枯れるほどに泣いた。
まるで駄々をこねる子供のように泣いた。
私は灰かぶり姫。
王子様がガラスの靴を持ってきてくれる。
それで、国中から祝福される結婚式を挙げるの。
『安心と不安』
常に、不安が私の身に纏わりついている。
逃げることも抜け出すことも出来なくて、
不安が目の前に来ると、手も足も出せない。
本当にどうしようもなくて、
ただ苦しさを吐き出す以外に出来ることはなかった。
だから、安心できる何かがずっと欲しかった。
安心できるなら何でも良かった。
願わくば、
安心できる誰かに出会いたい。
『逆光』
記憶の片隅に、顔も覚えていない誰かがいる。
その人の声も表情も、何もかも思い出せない。
でも、いたという事だけが記憶の中にいる。
小さい頃の話でもないのに、
ほとんどが記憶の中から抜けている。
ただ、映画の一コマだけのような映像がある。
雪が積もっていて、だけど夕日が見えて、
あなたの後ろを歩いてる私に、あなたは声をかける。
表情も声も思い出せない。
あなたは私の光で太陽で、
だから、直視することが出来なかった。
私を見てるあなたの背後にある夕日が余計に、
あなたの輪郭をぼやかしてしまっていたと思った。