スマイル
笑顔とは最強の生存戦略である。
ムスッとするよりニコニコ笑って
明るく元気に仲良くする事で敵を作らない。
みんなに愛される優しくて素敵な
そんな誰からも求められるそんな勝ち組に。
って割とみんな本気で思ってたりするんだろうか。嘘でしょ。無理すぎる。なんでそんな他人に媚び売りながらじゃないと、生きていけないの?
他人軸で生きている事が評価されると思っててすり減らない?
嫌われる勇気、なんて言葉もある。
嫌われる事って『扱いづらい』って思われる事なんだろうなぁ。でも正直変な人も寄ってこない。
陰口言われるのは楽しくはないけど、陰口程度で仲良しごっこしてる人たちの輪に無理に入りたくて削る自分と天秤は釣り合うかな、なんて思ってしまった。
はー。
この世は常に事もなく。
比較って本当無駄に自分を削るよね。
誰かよりもしあわせとか
誰かよりもふしあわせとか
そんなくだらないもので笑いたくない。
楽しくて笑いたい。
嬉しくて笑いたい。
時には辛くても笑わないといけないけど、
それでもやっぱり幸せの為に笑いたい。
嫌いなものを我慢する為に笑うなんて
10回に1回あれば良い。
ムスーっと下がった口角を無理やりあげた
不自然な笑顔の不自然さがあまりにも『自分』だったから、これでこそ自分なんだよなぁと諦めひとつにトホホと笑って見せた。
どこにも書けないこと
言えないな。言いたいな。
切ないな、この気持ち。
王様の耳はロバの耳ってどんな話だったか子供の頃によく読み聞かせして貰った童話は記憶の彼方に遠い。
その代わり、壁に耳あり障子に目ありなんて諺ばかりが思い浮かんだ。
世知辛い世の中だな、とため息をつきながら形に出来ない想いを持て余す。
携帯を開いてポストしても何処で誰の目に入るかわからない。誰の耳に届いてもおかしくないから黙って口を閉ざした。
だから私の話を聞いてくれるのは主に日記になる。秘密を唯一知っている、私の為の私だけの友達。ペンを片手に薄暗い部屋で目の前のノートは黙って私の心を書き留めてくれた。
突如薄暗い部屋に強烈な振動が走った。
グラグラと揺れる様に大きな地震が起こったかと慌てて外に出ようとすると外から大きな悲鳴が聞こえる。
『隠れろ!』
『出てくるな!』
そんな声が大きな衝撃音に掻き消えた。
無我夢中で目の前のノートを掻き抱いて走り出す。その後ろで激しい閃光と爆発音が響いている。
足元に転がった本に割れたガラスが舞った。
大好きだった『アンネの日記』が
遠い世界からすぐそばの世界になるなんて
こんな事、何処に向かって書けば良いの
時計の針
カチリコチリと忙しなく動く細長い棒を指先一つで押し留める。
指先に伝わる振動に負けないように力を込めて押し留めた。
針を止めるなんてこんなに簡単なのに時間は漫然と、でも確実に進み続ける。大河のように、悠然と。
時が止まればいいのに。
消毒液の匂いが蔓延する小さな部屋の中の
小さな手。暖かさの通わない手を握ると幼い指先がピクリと動いた。
両手で温めるようにその小さな手を抱きしめると
、止められていた時間の針が、濁流に流されるように正しい時間を示す為に動き始めた。
時が止まればいいのに。
無常な現実が指先一つでは止められないとわかっていても。
kiss
鏡に向かって唇を突き出しては目を閉じる。
目の前にいる映った自分は見えない。
タコみたいに唇を突き出す滑稽な自分の姿を脳裏に映すとその顔の面白さに無性に笑えた。
キスってどんな味だろう。
レモンの味なんて昔の人は言うけれど
そんな酸っぱさなんて欲しくない。
ケーキのように甘くて
チョコのように蕩けて
ただ幸せだけが口いっぱい広がるような
そんな素敵な恋がしたかった。
ゆっくりと目を開ければ目の前には腫れぼったいほど瞼を赤く染めた想像よりも滑稽な自分の姿が映る。
唇を抑えると、しょっぱい流れる涙の味がした