フィルター
フィルターを通せば世界はまるい。
あの人の言葉は少し優しく
あの人のわがままは少しかわいい
だけど1人になると、フィルターが必要なくなって私の眼は直接見る。
ビビッドカラーの世界はパキパキしていて、甘ったるい世界にいたらダメだよと教えてくれる。
ふわふわしたフィルターの世界
パキパキの自分の世界
どっちにいても自分は変わらないはずなのに
人は優しい方にいたいと思うんだな。
今日の夕焼けはビビッドカラー。
どちらを選ぶかは自分次第。
仲間になれなくて
仲間になれなくて
やりたくないドッジボールをやってみる
それでも仲間になれなくて
人数足りないからと誘われたらサッカーもやってみる
まだ仲間になれなくて
土曜日の秘密基地探しに参加してみる
やっぱり仲間になれなくて
好きでもないキャラクターを可愛いとか言ってみる
今なら言ってあげられる。
無理して仲間にならなくていいんだよ。
自分の好きなことが分からなくなるくらい、人に合わせなくたっていいんだよ。
図書館へ行って、本を借りておいでよ。
君がやりたい事を、思いっきりやりなよ。
仲間ってなんなんだろ。
信号
子供の時、うちの町の信号は夜の9時になると点滅になった。今はどうやら11時くらいまでは頑張ってるみたいだが。
私の住んでいた家の前には国道があり、向かいは祖父母の家で、よくそこて夕飯をご馳走になった。
帰り道はその点滅した信号を無視して右左の確認をし、道路を渡るだけ。
その時に、父が手を繋いで.よくおまじないをかけてくれた。
「鼻の油をちょいとつけて〜」
と言いながら自分の鼻をちょっと触り、私の鼻にちょこんと触れる。
普段はいない父と触れ合う数少ない時間だった。
そして、そのおまじないが何に効くのかはわからないがとにかく嬉しかった。
そのおまじないは、幼かった私をきゅんきゅんドキドキさせて、今の私には、泣きたくなるほどの想い出として魔法をかけていたのだ。
鼻の油をちょいとつけて〜
言い出せなかった「」
言い出せなかったことはたくさんある。
自分がこどものころは
「お母さん、私髪の毛のばしていい?」
「お父さん、たまには一緒に夕飯食べたいな」
「私、部活辞めたいんだよね」
自分が若いころは
「もっと連絡してよ」
「なんで友達とばっかりでかけるの?」
「何のために私と付き合ってるの?」
今は
「たまには手伝ってほしいなぁ」
「そこに靴下ぬがないでー」
「洗濯物くらい入れておいてくれたらいいのに」
子供の時は、言い出せなかったことが多かった。
今は、あえて言わないようにしてる事が多いのかもしれない。