「行かないで」
その一言を貴方に言えたら、どんなに良かったか。
口元まで出てるのに、言葉に出す事は、出来ない。
優しい貴方は、そう言ったらきっと、自分の夢を諦めてしまう。
優しい笑顔で、「わかったよ」って。
折角掴んだ、夢へのチャンスを手放してしまう。
私は知ってる。貴方がどんなに夢を追いかけていたか。
どんな思いをしながら、今まで頑張ってきたのか。
私が貴方を追いかけられればいいのだけれど、家の事情もあって、それは出来ない。
だから。
貴方の夢を潰す位なら、私は大人ぶって、余裕ぶって。
「頑張ってね。私は大丈夫だから、行って。」
笑って、真っ直ぐに貴方を見て、そう言う。
もし貴方が寂しがったとしても。
優しさから、「行かないよ」って言ってくれても。
絶対に「行かないで」なんて、言わない。
一度口にしてしまったら、もう気持は堰き止められなくなるから。気持が、溢れてしまうから。
だから、言えない。言わない。
だから、サヨナラ。
「どこまでも続く青い空」
この空は何処に繋がっているのだろうか?
貴方のいる場所にも繋がっているのだろうか?
広い空、高い山、大きな湖、果てしない海、どこまでも続く草原、鬱蒼とした森。
自然と比べると、人間てなんてちっぽけな生き物なのかと思う。
でも、ちっぽけなりに、一生懸命生きていて。
笑って、泣いて、楽しんで、苦しんで。
あがいて、もがいて、生き抜いている。
貴方と出逢えた事は、奇跡のような私の喜び。
貴方を愛せた事は、とても大きな私の誇り。
この空と比べるとちっぽけかもしれないけど、でも、私なりに精一杯貴方を想ってる。
貴方に、逢いたい。
「衣替え」
学生の頃は制服の衣替えが楽しみだった。
暫く着なかった服を着て、他の子を見るのも楽しみで。
そして、衣替えの時に、いつも母の愛を感じられた。
長い間しまってあった筈なのに、スカートのプリーツはキチンとなってるし、ほつれてた裾とかもいつの間にか直ってた。
少し防虫剤の臭いもするけど、でも大切に片付けてくれてたんだな、って思ってた。
恥ずかしくて一々口には出せなかったけど、ホントは感謝してたんだよ?
今は自分がする側になって。
別に娘も当たり前だと思ってるだろうし、特に感謝の言葉もない。
でも、いつか気付く。周りの優しさや、気遣いに。
親子に限らず、自分がしてもらった事を誰かに返して。そうやって、人は繋がっていく。
優しさとか、慈しみとか、そう言う気持ちをどんどん広げて行けば、皆が幸せになれるのに、と思う。
母に、父に、友達に、彼に、彼女に、先生に、同僚に、上司に、見知らぬ人に。
全ての人にしてもらって嬉しかった事を、相手が喜ぶ事を、人にしていこう。
優しさの、気遣いの、思い遣りの輪を広げていこう。
誰か一人が「自分さえ良ければ」そう思うとその輪は破綻するけど、でも現実や不安に負けて理想さえ口に出来なくなったら終わりだと思うから。
だから、綺麗事かもしれないけど、そうしていこう。
「声が枯れるまで」
声が枯れるまで、貴方を呼び続けた。
苦しくて、切なくて、愛しくて。
ただ、貴方を呼び続けた。
貴方と逢えなくなって、どれだけ経ったのだろう。
貴方の笑顔も見れず、声も聞けず。
ただただ時間だけが過ぎて行き、私は心も身体も、空っぽになって行く。
もう一度、逢いたい。
そして、貴方に伝えられなかった言葉を伝えたい。
「愛してる」「有難う」「貴方と会えて良かった」「生まれ変わったら又一緒になろうね」
言いたい言葉は溢れてるのに、貴方には何一つ伝えられなかった。
昨日と同じ今日が、今日と同じ明日が続くと勝手に思っていた。
だから、気持ちを伝える事の大切さに気づかずにいた。
もし、声が枯れるまで叫び続けたら、この気持ちは貴方に届くの?貴方に、聞こえるの?
貴方は、星になって、風になって、花になって、私の周りに居るの?
伝えたい気持ち、全部じゃなくていい。
せめて、一言だけでも。一目だけでも。
叶わない願いだけど、貴方を呼ばずにはいられない。
私が本当に空っぽになる前に。
「始まりはいつも」
恋の始まりはいつも、些細な事。
優しくしてくれた、話が面白かった、それまでと違う一面を見つけた、自分の苦手な事を易々とやってのけた、運動会で格好良かった、腕まくりした腕が逞しかった、指がキレイだった、とか。
元々好きになる土台はあったんだろうけど、でもその気持がハッキリと形になって、自覚出来るようになるきっかけって、ホントにどうでもいい様な些細な事の時もある。
それがいつの間にか大きくなって、気が付いたら自分ではコントロール出来ない程になって。
でも、その制御の出来なさは不快ではなくて。
この気持ちは、この先何処に向かって行くのかもわからないし、このまま大きくなるのか、なくなるのか、それもわからない。
切なさとか、苦しさとか、痛みとか。
そんな事を知る事になるかもしれないけど。
でも、折角生まれたこの気持ちを、大切にしていきたい。
「貴方が、好きです。」