古井戸の底

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12/11/2025, 12:51:10 PM

八木橋とのやり取りは、1日1往復のペースを保ち緩く続いていた。
街一帯が停電になった時に星が綺麗に見えたという話をしたら、彼から夜中に返信が来た。

『星空見てみるとロマンチックですよね』
『オリオン座の3つ並んでる星とかよく探したりしてました笑』

理系の彼らしからぬ内容だった。
彩子も昔は、晴れる度に夜空を見上げて星座を探していたものだ。しかし最近は、ひたすら家に帰ることだけを考えて、空を見る余裕などなくなっていた。

『オリオン座はダントツわかりやすいですよね笑』
『普段の夜空は星が目立たないのでちょっと物足りないです』

彩子たちの住む町の外れには天文台があり、プラネタリウムの上映も行っている。
話題に出したら、彼はどう思うだろうか。


【夜空を越えて】彩子15

12/10/2025, 10:31:12 AM

執筆予定

【ぬくもりの記憶】

12/9/2025, 1:32:40 PM

皿についた泡を水で洗い流す。指先が冷えて感覚が鈍る。

「また、LINEで」
そう言った八木橋からはまだ通知が来ていない。

週末。八木橋は帰路に着いたらまた酒を飲むのだろう。自分の渡したおつまみを食べてくれるのだろうか。もし食べてくれたのなら、一言でいいからLINEで送って欲しい。
お礼メールにプレゼントありがとうという文がなかった。私から先に送ったから返信を焦ったのかもしれないし、もらった時に直接言ったからそれで済んだと思っているのかもしれない。

『またお会いしましょう』

それは本心か。それとも優しい彼なりの社交辞令か。

【凍える指先】彩子19

12/8/2025, 3:21:35 PM

執筆予定

【雪原の先へ】

12/7/2025, 10:26:11 AM

執筆予定

【白い吐息】

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