どこにも行かないで
そう素直に言えたら
今の君の隣にいるのは僕だったのかな

君の背中を追って
君が通ったあとの世界しか見えてなかったから、
君を真正面から見ることができなかった
あの時の君はどんな風に笑ってたのかな

雨の香り、涙の跡
本当は全部違うのに、人間には違いがわからない
限られた認知資源を有効に使うために、
微かな違いにいちいち惑わされないように人間は作られているから
あの涙の跡は前の悲しみとは違うのかもと思ってたら傘をさすのも一苦労
だから傘をさしてあげられる人間がこの世には少ない
人間が一から悪いわけじゃないけど、一つしかない傘に誰かが入る日が来るといいな

届かないのに
無理に手を伸ばさなくていい
今ここにいる自分を抱きしめてあげれば
いつかそこに君がいるから

毎日変わっていく僕の記憶の地図
勉強したこととか何気ない会話とか
僕の頭の中の線はいつも書き換えられていく
ただ近道でも回り道でも、
君との記憶への道はいつでも地図にある