たーくん。

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9/27/2025, 11:45:34 PM

真っ黒の空のキャンバスに描かれた輝く星々。
今日も残業で帰りが遅くなり、時折空を見て家へ帰っていた。
綺麗だなぁって思っていると、見ていた星空が歪み始める。
なんでだろう?と思っていたら、いつのまにか私は泣いていた。
どうして毎日遅くまで残業しているのだろう?
どうして毎日こんなに気を遣わなきゃいけないのだろう?
どうして一人で夜道を歩いているのだろう?
どうして?が頭の中に次々と浮かび上がり、頭が破裂しそうだ。
無理は……よくない。
今度有給を取って、のんびりしよう。
でも、人手が足りないから有給取れるか分からないや……はは。
今の仕事を辞めて、別の仕事を探したほうがいいかもしれない。
私が、壊れる前に……。
自分の時間は大切だと、改めて思った。

9/26/2025, 11:22:56 PM

コーヒーカップから元気よく飛び出して踊っている白い湯気。
朝の食後は、やっぱり熱いコーヒーに限るよな。
よし、冷めないうちに……。
「パパー!きがえてつだって!」
幼稚園児の息子が、パジャマ半脱ぎ状態でやってきた。
「どうやったらそんな起用な脱ぎ方が出来るんだ?そんな子にはくすぐりの刑だぞ~!」
「きゃー!」
俺がくすぐりポーズをしながら近づくと、息子はきゃーきゃーとはしゃぎながらリビングを走り回る。
「二人共~!遅刻しちゃうから早く準備して!」
妻が台所から顔を出し、俺達に言った。
「は~い」
「はい……」
朝からママ怪獣を怒らせたくないので、俺達は素直に従う。
息子の着替えを手伝い、俺も会社へ行く準備をして……ん?何か忘れているような……。
テーブルの上には、コーヒーカップが乗っている。
そうだったそうだった。俺はコーヒーを飲もうとしていたんだった。
あとは家を出るだけなので、椅子に座って熱々のコーヒーを味わうことにしよう。
だが、白い湯気は踊り終え、コーヒーはぬるくなっていた。

9/25/2025, 10:08:08 PM

目の前に広がる、複数の世界。
これらは全て、もしもの先に出来たパラレルワールドだ。
一つ行動を変えるだけで、パラレルワールドは次々と作られていく。
僕にとって、どれが相応しい世界なのだろうか?
「″どれ″じゃなくて、″今″いる世界が、君に相応しい世界だよ」
僕にそっくりな声が、どこかから聞こえてくる。
今……か。
今いる世界のことを思い出すと、目の前に、光の扉が現れた。
……帰ろう、僕に相応しい世界へ。
僕はパラレルワールドではなく、目の前の、今の世界に手を伸ばした。

9/24/2025, 10:17:31 PM

見覚えのある薄暗い天井。
目が覚めると、俺は自分のベッドで寝ていた。
……あれ?いつ、ベッドで寝たんだ?
確か……彼女と一緒にリビングで酒を飲んでて……。
うーむ、記憶がない。
酔っ払って寝てしまったのだろうか?
薄目で壁掛け時計を見ると、もうすぐ0時になろうとしていた。
「うーん……」
俺の横で、彼女が寝息を立てながら寝ていた。
びっくりして声が出そうになり、慌てて口を押さえる。
もしかしたら、彼女が酔っ払った俺をベッドまで連れてきたのかもしれない。
折角、久しぶりに彼女とのんびり過ごそうと思っていたのに……。
彼女と一緒にいるのが楽しくて、つい酒を飲み過ぎてしまったようだ。
時計の長い針が、短い針と重なり、一つになる。
「ありがとな」
俺は時計の針のように、彼女の身体をぎゅッと抱き締め、一つになった。

9/23/2025, 10:17:52 PM

学校中がお祭り騒ぎになっている文化祭。
賑やかな廊下を通り抜け、教室のドアを開けた。
教室内には、荒井さんが窓際の席に座って、外を眺めている。
僕は荒井さんが座っている席へ、ゆっくり向かう。
距離が近くなると、荒井さんの良い匂いが鼻につく。
席に到着し、深呼吸をしてから、荒井さんに向かって言った。
「荒井さん!僕と一緒に……文化祭一緒に回って下さいっ!」
荒井さんはこっちを向き、僕を見ながら口を開く。
「大人しいあんたが、ギャルの私を誘うなんてやるじゃん」
「えっと……荒井さんも大人しいよね?口調はギャルだけど、見た目は控え目だし……」
「ちょ!そんなこと言うなし!」
荒井さんのことは前から気になっていた。
見た目は真面目そうな大人しい女の子なのに、口調は真逆だったから。
本人によると、自分を変えたくてギャル口調で話すようになったという。
でも、クラスの皆から変な目で見られるようになり、誰も荒井さんと話さなくなった。
そして文化祭の今日、荒井さんは一人で教室にいる。
だから僕は、勇気を出して、荒井さんを教室から連れ出そうと思った。
文化祭を一人で過ごさず、楽しんでほしかったから。
「えっと……ど、どうかな?僕と一緒に文化祭、回ってくれないかな?」
「……ふんっ、仕方ないわね。折角勇気を出して誘ってくれたのに、断ったら可哀想だから付き合ってあげるわっ」
口ではそう言っているが、荒井さんは嬉しそうな顔をしている。
「なにニヤニヤしてるのよ!行くわよっ!」
荒井さんは席を立ち、僕の手を引っ張って廊下へ向かう。
今日は、楽しい文化祭になりそうだ。

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