運命だと思ったんだ。
あの時、言葉をかわすことはできなかったけれど、
絶対にこのまま別れちゃだめだって、
本能でって言えばいいかな?感じたんだ。
君もきっとそう思ってくれてるって、
思ってたんだけど
そう。僕かくれんぼとか、鬼ごっことか得意だったんだ。
だから、君のことはぜんぶ知りたくて、
いっぱい頑張ったんだ!
なのに、なんで?
僕はこんなにも、君を求めてるのに。
今までずっと自分が自分じゃなかったみたいだったんだ。
なんていうか、ずっと世界がくぐもって見えたんだ。
でも、君と出逢ったあの日から、
僕を取り囲むこの世界は、変わったんだ!
どうしたら君は僕のことだけ考えてくれるの?
黙ってないでさ、なにか話して?
やっと目の前で君の声が聞けるんだ。
僕には君だけいればいいし、君には僕だけいればいいんだよ。
あんな奴、君には必要ないんだよ。
だから、僕が代わりにバイバイしておいたよ。
泣きそう?初めて見れた、嬉しい。
もっといろんな君を僕に見せて
ゲームってさ、一回クリアしてしばらくしたら
また初めからやりたくならん?
何ていうかさ、初見って何もかもがめちゃくちゃ新鮮で、
大切にしたいんだけど。何かさ、また改めてさ、
前回はできなかったことやってみたくなんない?
あんましかな?
てか今のゲームだと結構周回前提のやつとか多くない?
そういうのはやる?
やりそう。
あたしさ、やるゲーム無かったから繰り返し遊ぶクセついてんのかも。
ね。
ねぇ、あたしさ、バッドエンドとか幸せになれない結末さ、
好きじゃないんだ。
だからさ、次に賭けてみようかなって!思ってる。
これから頑張って挽回する気にも、正直なれんのよねー。
もうどうにもならないとこまで、来てるかなって感じ!
次はさ、あったかくて、柔らかくて、幸せになれるかな。
君も、あたしのこと見てくれるかな。
慎ましやかに執り行われた式の後、彼女の手紙を読んだ。
自らとんでしまった彼女には、来世があるのだろうか。
この世に縛りつけられていないだろうか。
近くにいたのに、何もできなかった僕を思ってくれていた彼女が、
これから幸せになれるように。
願い続けようと思う。
湿った頬を、風が優しく撫でた気がした。
空を飛んでみたい!
行きたい場所にひとっ飛び!
なんて、
今は切実に1日の概念を延ばしたい
自分にはこれしかないと思っていた
示された選択肢から
それ以外の道なんて無いって
思ってた
その道を進んで、進んでいこうとして
立ち止まってしまった
それからふと、本当にこの道しかなかったのか
近道でも遠回りでも、自分にとってより良い道が
あったんじゃなかろうか
そう思えてしまった
ここまで前しか見えていなかったのに
周りを見れば、道はそこら中にあった
嗚呼、私はどうにも不器用で
どうにも不恰好な奴だったんだなと
思った
今まで進んできた道を少し引き返して
それから別の道へ
進んでみようと思う
これでちょっとはマシな奴になれるだろうか