梨
梨一口メモ
鳥取産の「二十世紀梨」一択の子供時代
高級なのに酸っぱい果物だと刷り込まれてきた
それが関東で出会った幸水の甘さとフレッシュなジューシーさといったら衝撃的だった
それからというもの上品な夏の水菓子のNo. 1に幸水が君臨して久しい
ところが今年、産地へ梨狩りに行って驚いたのなんのって
パンフレットには7月〜11月まで沢山の品種が書いてありそのほとんどを食べた事がなかった
その上 樹上完熟梨✨…
生産者さんの話では、店頭に並ぶのは日持ちするよう早採りしたものがほとんどらしいって
それに梨は追熟しないというからビックリ
だったら早採りするなんておかしいでしょう
本来の美味しさが半減、人の都合で残念すぎるよね梨さん
そういう自分は去年までメロンや桃の様に
梨も追熟すると思い込んでいた
なのでギフトにはまず見栄え良い大玉、フレッシュさをアピール出来そうな緑っぽいのをわざわざ選んで送っていた(届いたら食べ頃になるとばかりに) 知らないってほんとトホホだわ💦
(幸水は熟してくると黄色味を帯びた茶になるらしいから迷ったらそういうのを選んでみて)
豆知識と美味しい樹上完熟梨をお土産に帰宅
『有りの実』なんて弦担ぎの別名を持つこの果物がグッと身近になったこの秋
秋も深まり色とりどりの果物に囲まれて
埋もれ感があるけど梨の季節はまだ終わらない
一輪のコスモス
一輪というのが似合わない花
コスモスとはギリシャ語で秩序だそうな
一本の茎から枝分かれして沢山の花をつけ
ゆらゆら寄り添うように天を目指す
名は体を表すコスモスを前にして思う
野にある時の一輪一輪は微笑みにみちている
それがどうだ摘んだ途端
その姿勢は保てず一輪だけで寂しげにうなだれる
糸状の葉が儚さを増長する
一輪ですっくと立っている花ではない
かと行って…弱くもないのだ
倒れた姿勢のまま再び茎から根を張り頭をもたげ沢山の花をつけ微笑み返してくる
我が身を呈して子孫を輝かしているようだ
古の家系図のような枝に優しげな花が片寄せ合い咲いている
この円満の象徴の様な姿は
和を尊ぶ日本人に愛されたことだろう
外来種なのに「秋桜」という名をもらっている
秋恋
秋に恋しく思うものは薪の燃えるにおい
暮れなずむ空の下
家々で火を使い始める気配がする
友達と別れたとたん小走りになる
まずいっ薪のにおいがあちこちでする
1日の終わりが急げ急げと背中を押してくる
今日は風呂炊きの当番だった早く帰んなきゃ
生活の営みが容赦なく待ち構えている
裏戸からこっそり入り何食わぬ顔で風呂焚きを始めた 母の姿はない裏の畑へ野菜をとりに行っているのか
隣のかまどではご飯が吹き始めたようだ
オレンジ色の火が映し出す
いつもの台所
甘い匂いがたってきた
始めチョロチョロ中パッパ…
おばあちゃんの呪文が甦る
不便で贅沢とは無縁だった幼かった頃
人の手が作り出す同じ光景には安心感と
妙な心地良さがあった頃
安全基地は確認するまでもなく日常にあった
愛する、それ故に
ふるさとを愛する、
それ故にふるさと納税をする
これといった特産品は無い
どこにでもある農作物や海産物
損得感だけなら見逃してしまうものばかり
かつて両親がせっせと届けてくれていた
あたりまえ過ぎるふるさと便を口にすることができなくなって久しい
ちょっぴり贅沢もできる年齢になったのに食べたくなるのは「また?」と文句を言っていた母の定番おかず 夏はどっさりとれる茄子尽くし
いりこ入り茄子と切り昆布のたいたん
正真正銘のふるさとの素材を心身が欲してくる
伊吹のいりこが欲しいなー
ポチする度に浮かぶ土地の景色
手にした荷物の住所でしばし思い出にふける
品は自身で故郷愛をプラスしながらいただく
そして故郷も私の想いを受け取れる
ウインウインこれがいい
老いた私のふるさと納税の楽しみ方
静寂の中心で
リンリンリンリン
リーンリーンリーン
澄んだ鈴の音が波紋を描く秋の夜