誰にでも「秘密」はある
大なり小なりない者はいないと思う
どんなことであれ
知られたくないから隠す
それを魅力と思うか邪悪と思うかは
「秘密」の内容にもよるだろうけど
その者の表面上の性格によるだろう
「秘密」とは心の中で大きくなっていき
何時しか表面に出てしまう事がある
それを自身で操れるのか
それが出来ないならば素直になればいい
パンドラの箱のように閉じ込めて
開いた後には希望なんてないのだから
「秘密の箱」
運命が道というならば
人との出逢いや関わりは
まさしく交差点と言えるだろう
立ち止まるかすれ違うか
ぶつかるか手を取るか
そこでの関わりで先が決まるのだろう
出来ることなら全ての人と
上手く手を取り進みたいが
どうしても合わない人もいるだろう
仮面でもいい
笑顔を絶やさずに先に進みたい
この先の未来に進む道は
出来るだけ平坦で穏やかである事を
切に願う
「未知の交差点」
ゆらゆらと靡く秋桜
空高く流れる雲
アキアカネを追い掛ける子どもの声
何時の時代でも変わらない情景
自然な野原や空き地は少なくなったけど
あの頃に帰れるならば
もう一度あの秋桜がいっぱいに咲いている
野原に行ってみたい
秋桜の迷路の中を
あの時に仲良かったあの子と
もう一度巡ってみたい
秋風に揺れる花瓶の秋桜は
遠い昔の記憶を
呼んでくれた
「一輪の秋桜」
お酒は嫌いじゃないの
でも飲まなきゃいけないということもない
たまに皆と集まった時に
楽しみながら飲むだけで充分
だけど
今 目の前で
大好きなあの人が
私じゃない女の子の肩に手を回して
嬉しそうに結婚の報告をしている
涙を堪えて出来るだけ笑顔で
お祝いの言葉を言ってあげたいから
今日は自分の想いを隠せるくらいに
いつも以上に飲ませて
「今日だけ許して」
忘れ物を取りに教室へ入る
しんとした部屋を夕陽が染める
校庭から聞こえる小さい声
昼間の騒がしさ息苦しさは全くなかった
早く帰らないといけないのはわかってる
だけど
やらずにはいられなかった
黒板にバカヤローと大きく書いた
学校が嫌いだった
この場所が嫌いだった
あいつらが殺してやりたい程に嫌いだった
そんな事書いたところで何かが変わる訳ではない
ため息をついて文字を消した
明日もここに来るのか
憂鬱な気分で夕陽に焼けた教室を振り返り
このまま燃やしてくれと思いつつ
そっと教室の扉を閉めた
「誰もいない教室」