12/7/2025, 11:44:12 PM
煌めく銀世界。
寒空の下、毛編みのマフラーに口を埋める君の肌は白く、けれど太陽のように眩しい笑顔を見せた。
霜焼けした頬と耳に触れればくすぐったそうにはにかんだ。
ふと目が合って、なんとなしに空を見あげた。
眠らぬ街の傍らで、ふたりぽつんと星を見た。
ポツリ、ポツリ。白い星が降るのを眺めていた。
冷たさに触れる度、ぎゅっと手を握る力が強くなる。
そのおかしさに、また笑った。
『白い吐息』
10/27/2025, 9:27:13 AM
影は云う。変えられやしないと。
僕は言う。変われるのだと。
影は云う。変わってしまうと。
僕は言う。変えられるのだと。
『終わらない問い』
9/6/2025, 10:41:23 AM
まだわずかにもやのかかる校庭を見下ろす。
今日こそは、なんていつものように思いながら。
静寂が心地よい。肘を立て手に頭を乗せる。目を瞑れば、コツコツと階段を歩く音が聞こえる。
ふと。目を見開いた。
空を舞う君と、目が合った気がした。
『誰もいない教室』
9/4/2025, 2:28:48 AM
意味もなく秘めているこの想いを。
もし君に伝えられたなら。
『secret love』
9/1/2025, 4:38:34 AM
もう、セミだって鳴いてやいない。
けれど僕は泣いていた。
枯れた声をかき消す花はもう下を向いて。
満開の笑顔をまた君と見たくって。
『8月31日、午後5時』