ツユクサ

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12/29/2025, 2:34:20 PM

お題『静かな終わり』

私はあなたのところから去った。

最初は大好きだった。ずっとそばに居たかった。もっと話したかった。
今は?
あなた以外のことを気にかける時間が増えた。あなたのそばにいなくても、平気になった。話さなくても、伝わると思った。

こうやって静かに終わっていく。
さよならをする時が来た。
さよならすら、したつもりも無いまま、そっと消えていく。雪が上から降るから、足跡が残らないように。

12/25/2025, 3:32:44 PM

お題『祈りを捧げて』

どうか、星よ、月よ、太陽よ。

空に浮かぶ動物や、偉人たち。

聞き入れてください。

阿呆で、間抜けで、傲慢で、尊大なわたしの祈りを。

お願いします、明日、どうかあの人が泣かない日を。
あなた達の、精一杯の祝福を与えてください。

幸福ではありません。祝福です。

明日私が泣いても良いから、あの人だけは、明日1日だけでも、世界の祝福を全て受けて欲しい。

それがわたしの呪いです。

12/14/2025, 10:07:28 AM

お題『星になる』

あのいちばん綺麗な星に、名前をつける。
きみの名前をつける。
きっと、あれにきみの名前を。あの星に既に、皆が呼ぶような名前があったとしても、ぼくは、きみの名前であの星を指さす。

星はいつか死ぬ。
きみもいつか死ぬ。

少しでも、君の名前を長く呼びたい。
少しでも多く、君の名前を呼びたい。

そうして、星になる。

11/23/2025, 12:19:14 PM

お題『手放した時間』


手の中の懐中時計がカチ、カチ、と鳴いていた。

私は待っていた。来ないあなたを。とっくにティーカップの中身だったはずのレモンティーは消えて、カップの底に咲くバラは柔らかい赤色を見せている。

暖かな装いをした人々が、靴底を少しずつ減らしながら、忙しなく歩みを進めていく。どこかへ行く彼らを横目に、私は座って、待っていた。今の時間、出来たことが。やりたかったことがあったよなあとぼんやり考え込む。

今の時間でもう少しメイクを凝ることが出来た。
今の時間で、ニュース見られたなとか。

手羽した時間は戻ってこない。本当に、戻ってこない。
私が決めたことかと言われたら、そうだ。待つ選択をしたのも、しないことを選択したのも私だ。
貴方を思う時間は決して嫌ではない。
でも、貴方が私を考えていた時間が少ないのは、悲しい。

11/14/2025, 12:43:30 AM

お題『祈りの果て』

私たちが手のひらを合わせたり、指をおり、「どうか」と祈り続けたその先には何があるだろう。
祈りとは、私たちの刃だ。それは私たちを脅す。
歩けと。私たちの勝手な願いで、きみは傷つきながら歩くのだ

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