〈昨日までのあらすじ〉
小説家になるための一歩目として、去年から“書く習慣アプリ”で毎日短編を書いている私。
去年の9月から、多少つまずきながらも、毎日更新する事ができた。
そして、来たるべき今年初のお題は“新年”。
それに対して、いつものように悩みつつも、私は“新年の抱負”を主題に短編を書いて、今回も乗り切るのだった。
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「どうするんだよ、これ……」
私は悩んだ。
悩むのはいつもの事だが、今回は程度が違う。
「“今年の抱負”、昨日やったんだよな……」
そうなのだ。
昨日のお題『新年』対して、『新年の抱負』について短編を書いたら、今日のお題はまさかの『今年の抱負』である!
昨日のお題で、アイディアを出し切ってしまったので書くことがない。
大事故だ!
ヒラメキを得ようと他の人のものを読むと、何人か事故った人がいる。
一人じゃない(^o^)
でも何も閃かない(-_-;)
とりあえず今年の抱負を述べます。
①コンビニに行く度に、募金箱にお金をいれる。
②小説のインプットのため、サメ映画を見る。
(理由は昨日の短編参照)
盛大に事故ったせいで、何も面白いこと言えませんが、今年もよろしくお願いします。
新年明けましておめでとうございます。
のほほんとしていると、地震のニュースを見てとても驚きました。
亡くなられた方の御冥福をお祈りします。
私は普段フザけた短編ばかり書いています。
自粛すべきかと悩みましたが、自分が自粛しても特に何も変わらないと思い、通常営業で行きます。
代わりにコンビニなどで積極的に募金箱にお金を入れていきたいと思います。
現地の人はお気持ちより、お金が欲しいでしょうからね。
良ければこれを読んでる方もお付き合いいただければと思います。
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「新年ということで、新しいことを始めたいと思います」
「新年の抱負ってやつですか。
先輩も飽きませんね。
去年も言ってましたが、達成したんですか?」
「……過ぎたことはいいだろ」
痛い所を突く後輩だ。
可愛いからって調子に乗りやがって。
「で何をするんですか?」
「去年から本格的に小説書き始めたんだ。
やってみて色々課題は出てきたけど、今年はインプットを重点的にしたい」
「具体的には?」
「サメ」
「は?」
「サメ映画を見る」
「ちゃんと聞こえた上で言いますね。
は?」
後輩が睨んでくる。
怖い。
「なんで、ありとあらゆるインプットの中でサメ映画を選ぶんですか!」
後輩がツバを飛ばしながら怒鳴る。
「そんなに怒ることなくない?
人気あるんだよ。サメ映画」
「言うほどありますかね、人気……」
「あるさ。みんな事ある度にサメって言うだろ」
「それ、ネットのオモチャっていうんじゃ……」
「オモチャにされるほど、愛されてるんだよ。
俺はその秘密を自分の小説に取り込みたい」
「あの先輩。
親切で言うんですけど、取り込んでもオモチャにされるだけですよ」
「読まれないよりかマシだ。
それにオモチャにされれば、露出が増えて色んな人が見てくれる。
俺の小説に目を掛けてくれる編集もいるかもしれないだろ」
「あー、一応考えてはいるんですね
まあ、先輩がやるって言うなら止めませんけど」
後輩は納得したようだ。
「俺の話ばかりしてるけど、お前はどうなんだ?
何か新年の抱負はあるのか?」
「そうですね。
去年と一緒、というか新年関係なく、あの時宣言した通りですよ」
「ずっと一緒にいるってやつ?」
「覚えててくれて嬉しいです、先輩」
俺の言葉を聞いて、後輩が紅くなりながら笑う。
その可愛い笑顔から、俺は目を離せなかった。
後輩は見つめられて恥ずかしくなったのか、慌てて話題をそらす。
「つまり何が言いたいかって言うと―
新年じゃなくて信念って所ですかね」
「これまた、おジョーズなことで」
「良いお年を」
女神は涙声でそう言いながら去っていった。
2日ぶりに帰ってきたこの部屋に安心感を覚える
2日前女神は突然現れ、世界を救ってくれと、勝手に異世界転移をさせられた。
夢にまで見た異世界を満喫したかったが、年末にはやるべきことが多く、早めに帰らなければいけない。
私は事態を早めに解決すべく行動した。
女神からもらったチートを活用しことごとく悪を滅ぼした。
その獅子奮迅の活躍に女神も涙するほどだ。
デキる男は、どうしても女を泣かせてしまうものらしい。
しらんけど。
まあ、そんなことはどうでもいい。
余韻に浸っている場合ではない。
年末と言うことで、たくさんの予定が詰まっているからだ。
見てないアニメ、積んでるゲーム、書きかけの小説。
やることがいっぱいだ。
世界を救ったばかりだから、滅ぼす系のゲームするか。
テレビをつけると、除夜の鐘を鳴らす様子が流れている。
もう2023年は終わるらしい。
忙しい年末だったが、それももうすぐ終わる。
そうだ、映画館の予約もせねば!
私は年始も忙しいのだ。
スマホで作業している間に番組が進行し、アナウンサーが番組の最後を締めくくる
「2023年はどんな一年でしたか?
もうすぐ今年も終わりです。
それではみなさん、良いお年を」
この2023年で一番印象に残っていることは、小説を書き始めたこと。
そして、それが自分にとっての2023年でもある。
9月くらいだったか、短編を毎日書き始めた。
小説を本格的に書きたいと思い、始めの一歩ということで短編から始めた。
なんとなく小説家になりたいという漠然とした夢に対して、この瞬間はっきりと行動に移したのだ。
最初は我ながらひどい出来栄えだと思う。
けど、最近はなかなかいい感じにかけているのではと思う。
手前味噌だけど。
仕事は楽しくない、人づきあいは嫌という、ネガティブな感情から始めたものだが、やってみると結構楽しい。
みんなが創作活動に夢中になるはずだ、と勝手に納得したものだった。
小説を書いていると、とても充実しているのを感じる。
なるほど、夢をみることは大切だ。
夢と言えば、最近たくさんあるうちの夢の一つが叶ったな。
異世界に行くこと。
転生ではなく、転移だけど似たようなもの、っていったら怒られるか。
地味なチートだけど、もらったのでそこそこ嬉しい。
だけど年末年始はオタ活で忙しいし、小説も書きたいので、早く帰らなければいけない。
だからチートを駆使して、とっとと世界を救って……あれ?
なんで私は走馬灯みたいに今年を振り返っているのだろうか?
私はさっきまで何をしていた?
少しずつ頭が冴えてくる。
思い出した。
私はこの異世界に来てから世界を巡り、世界を脅かす悪と対峙していたのだ。
それら順番にチートで滅ぼたが、最後のボスにチートの対策を取られ、敗北したのだった。
目を開けると、見慣れた光景が目に入る。
ヒイキにしている宿屋の部屋だ。
横を見ると仲間が心配してこちらを見ていた。
「気分はどうだ?」
「最悪だよ」
仲間の気遣いに、素っ気なく答える。
「少し休むか?」
「大丈夫だ。チートですぐ回復できる」
「体はな……。心の方は回復しないだろう」
「安心しろ。あのラスボスが生意気にかけていた眼鏡を粉々にしてやりたくて、ウズウズしてるよ」
「なら大丈夫だな」
「ああ、あと対策も思いついた。
準備が出来たらすぐ行くぞ。
次は負けない」
私には元の世界に戻る理由がある。
早く戻って、人生を満喫する。
それが自分の中の最も大切な夢だ。
それを叶えるために、過去を振り返っている暇など私には無いのだ。
俺は今、異世界にいた。
突然女神により、異世界に転移させられたのだ。
曰く、チートあげるから世界救ってくれ。
迷惑どころの話ではない。
私は忙しいのだ。
とっとと世界を救って元の世界に帰る。
そして女神にお灸をすえる。
ただ問題なのは、もらったチートがミカンがたくさん出せるというものだ。
特にリスクもなく、無制限で、食べれば完全回復するミカンを出せるようになった。
だから何なんだ、と思わなくもない。
なぜそれがミカンでないといけないのかとも。
だが、ある利用方法を思いついた。
このアイディアなら、世界を救うのもすぐに終わるだろう。
しかし、倒すべき悪の存在の場所が分からない。
見渡す限り地平線だけ。
目を凝らすと、煙のようなものが見えた。
人がいるかもしれない。
とりあえず情報収集といこう。
しばらく歩いていると、物陰から男が現れた。
「金目のものを出しな。
そうせうれば命だけ―げええええええ」
盗賊は悲鳴を上げる。
よかった、これは効くみたいだ。
私が盗賊にやったこと。
それは出したミカンの汁で目つぶしである。
非人道的だという人もいるかもしれない。
失明するだろうと。
だが、このミカンを摂取したものは完全回復するのだ。
失明してもすぐに回復するから問題ない。
つまり沁みるだけ。
優しいね。
「沁みるか?やめてほしければ、言うことを聞け」
「誰がそんなことうわあああ、沁みるううううう。
すみませんでした。いうこと聞きますぅ」
「いいだろう。では街に案内しろ」
「喜んで!」
こうして私は下僕を一人手に入れた。
幸先がいい。
これなら世界を救うのも早いかもしれない。
そして女神に目つぶしをくらわす。
奴は私に許しを請うだろう。
その時が楽しみだ。
ビクビクする盗賊を横目に、私はミカンを食べながら高笑いをするのだった。