ペンだこ

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4/6/2024, 12:38:58 PM

俺は君にとても甘いと思う。
本当は君にとってもよくないことだとわかっているのに、君に甘えられるとどうしてもその要求に応えたくなってしまうのだ。

あぁ、今日もだ。
君の目を見つめると、うるうるとした目で俺に寄りかかってくる。
君にとって俺は甘やかせてくれるだけの存在。それ以上にはきっとなれない。

でも、やっぱり君には勝てないのだ。



「にゃー」
「くそう、チュールだろ! わかってるよ!」

4/5/2024, 1:52:15 PM

ーー人は死んだら星になるんだって


「つまりいつだって私は織田信長に見守られてるってことね」
「おい、やべーぞ。偉人にときめきメモリアルできねーぞ私は」
「いや、二人ともそういう話じゃないから」

胸を押さえ頬を染める喜代に芹那が返し、さらに実奈が二人に言った。そして実奈は右上に視線を向けながらかつての言葉を思い出していた。

「私が死んだおばあちゃんっ子だったからか、お母さんがそう言ってたなって。おばあちゃんが死んじゃったとき、めちゃくちゃ泣いてたから」
「なるほどね。つまりあの星のどれかひとつは実奈のおばあちゃんなわけね。私のおじいちゃんはあれかしら」
「んじゃ、あれが私の死んだばあちゃんかもな」

喜代が星空の1つを指した。続けて芹那が指をあげる。

「「老人会かな」」

喜代と芹那の言葉が重なった。
実奈が「夢がない!」と叫ぶ。

「もっと感動する話とか素敵な話にしようよ。なんで老人会って話になっちゃうの!?」
「なんでって、そういう話じゃなかったのかよ」
「私としては織田信長と、渋沢栄一の大河ドラマverに見守ってもらえればそれで」
「演じた俳優は星になってないからね。ってそうじゃなくて!!」

実奈はもー! と2人に不満そうだ。

「私が言いたかったのは、もし死んでも星になるなら、その、2人と死んでも一緒にいられるって、思ったからで」

徐々に言葉が小さくなる実奈の顔は真っ赤だった。
喜代と芹那は顔を見合わせ小さく笑う。

「それはとても素敵ね。確かに死んでも一緒にいたら楽しいわ」
「だな。この3人ならどんだけ一緒にいてもしゃべり足らないしな。どうせならカッコよさそうだからオリオン座とかいいな」
「私はベガとかデネブとかがいいわね」




「「「…………」」」


「「季節真逆じゃん(じゃない)」」
「2人のバカーーーーー!!」

4/5/2024, 3:00:35 AM

「あたし、青年雑誌でエロ漫画書いてるんだけど」
「まさか、久しぶりに会った真っ昼間のファミレスでそんなこと言われるとは思わなかったわ」

愛美は向かいでメニュー表を開く祐希奈につっこんだ。

「毎回ネタに困るんだよね」
「えっ、続行するのその話」
「愛美は大きいのと小さいのどっちがいい?」
「え、あ…女の方のこと?それとも男の方?」
「は?パフェのことだけど」
「今の流れで何故メニューの話になった!?」

「ファミレスでパフェの話するのは普通だと思うよ。うーん、パフェはやめてカツ丼定食にしようかな」
「そこじゃないし、悩むメニューのチョイスが全然違うんだけど」

愛美は頭を抱えてジト目を向ける。

「ネタに困るっていうからてっきりその話かと」
「まあねー。困ってるよ。おっぱいからビーム出すか、目からビーム出すか」
「待て、それは本当にエロ漫画か?」
「主人公のペットをコモドオオトカゲにするかウーパールーパーにするか」
「心底どうでもいい設定だから。ってか犬とか猫にしようよ」
「でも飼ってるペットの擬人化エロとか定番じゃない」
「コモドオオトカゲじゃ別の意味で食われそうで怖いわ」

うーん、どうしようと悩む祐希奈に愛美はため息をついた。

「私にはよくわからないけど、そんな奇をてらわなくていいんじゃないの?」
「だってありきたりになっちゃうし」
「祐希奈が好きなものでいいんだよ」
「好きなもの、かあ」
「うん、それでいいんだよ」

祐希奈はしばらく悩んだ素振りをしてから「うん、わかった」と決心する。

「カルボナーラ食べる」
「だからメニューの話じゃないっての」
「あとおっぱいからビーム出す」
「書きたいものそれなんかい」

4/3/2024, 1:12:12 PM

「1つだけ、買ってやるよ」

部活帰りのコンビニ。先輩がそう言ったので、ペットボトルの水をとった。

「そんなんでいいのか」
「今日、俺んち唐揚げなんで」
「あぁ、なるほど。そりゃ唐揚げ優先だわ」

そして先輩は唐揚げ棒を買った。俺の話を聞いて食いたくなったようだ。
コンビニから出てすぐ唐揚げを頬張る先輩に声をかける。

「次、来るときはもっと高いもん買ってもらう」
「何当たり前のようにおごってもらおうとしてんだテメーは」

呆れながら先輩は続ける。

「俺は今日で引退すんだから、次はねえよ」

聞きたくなかった言葉。
俺はまだ部活を続けるのに先輩はもう部活に来ないのだ。なんという理不尽な世界。

「ある。また来て」
「引退したやつがそうホイホイ行けるかよ。なんだったんだ、今日の涙の引退式は」
「だって先輩、」
「いーんだよ。おしまい。最高の青春だった」

なんでそうやって終わらそうとすんだ。
上手い先輩だった。楽しそうにボールを追いかける先輩だった。誰もがまだやめるには早いと思うのに本人だけがすっきりしてやがる。


「楽しかったぜ」


満足そうに先輩が笑う。
水のペットボトルが俺の手で少し歪んだ。

4/2/2024, 2:54:25 PM

「大切なもの」
それで思い浮かぶのはロードオブメジャーだ。
借りたCDをMDに入れて登校中によく聞いたものだった。凄いファンだというわけではなかったが全曲借りて聞いていた。
どういう人が歌っているのか一切興味なく、ただひたすらに曲を彼らの音楽を聞いていた。

私の青春のひとつだったかもしれない。


悔やむのは、あまりにも人に興味がなさすぎて
メンバー本人だと気づかずロードオブメジャーのライブ会場を聞いてしまったことである。
多少は顔覚えておこうぜ、自分。

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