佐吉智明

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7/13/2024, 12:57:06 PM

24.優越感、劣等感

ただ、ただ、鬱陶しい。
わたしがどれほど醜い人間か、思い知らされる。

まわりの人々より少し上を行っては、調子に乗って、上にいることを誇り、高笑いをする。

まわりの人々より少し下を行っては、疑心暗鬼に陥って、恥じらいを忘れようと、嘲る。

美しいといい。
ただ、ただ、わたしが努力できるのなら。

7/5/2024, 12:23:04 PM

23.星空

黒いシルクに埋め込まれた金銀のボタン
星空を閉じ込めた美しい硝子
遠くから聞こえてきた
懐かしいオルゴールの音

星空を眺めて思い出す
君と過ごしたあの日々を
遠くから聞こえてきた
お別れの汽笛の音

金銀のボタンの埋め込まれた黒いシルク
硝子に閉じ込められた美しい星空
遠くから聞こえてきた君の足音
あれ
思い出せないな

7/1/2024, 11:35:00 AM

22.窓越しに見えるのは

私が窓越しに見るものは
毎日毎日違うもの
少しずつかわっている

私が窓越しに見るものは
一日一日の大切さ
少しずつ教わっている

私の窓越しに見えるのは
一日一度君の顔
きらきらまぶしく笑っている

今日窓越しに見えるのは
どんな顔の君だろう

5/8/2024, 11:08:45 AM

21.一年後

一年なんて
あっというまで

いつのまにか
一年経ってて

なにもできなくて
今年も無駄にしちゃったな。

罪悪感に襲われながら
今年を見送る

一年後は
こんなこと考えなくてもすめばいいな

3/16/2024, 5:57:46 AM

20.星が溢れる


――今日ですべては終わりにしようと思っていた。


この夏が終わったら死ぬつもりだった。
数え切れないほどの失敗を繰り返してきた。
人に迷惑をかけてばかりの恥の多い人生だった。
生きる価値も考えられなかった。

生まれた地は田舎だった。
育った地は都会だった。
人間が破壊してきた多くの自然、生命。
街を通る車に電車、どんな木よりも高くそびえ立つ高層ビル。
すべてが邪悪な空気をまとっていて、息苦しかった。
もう滅んでしまった生命の叫び。
聞いていられなかった――。

生まれた地には森があった。
唯一、人間に手を入れられていない聖域。
夜だった。

「未来になんの希望も持てないので、いま、はやく楽になろうと思います。これがわたくしの幸福です。」

間違いはないと信じて、上を向いた。
空には、無数の星が輝いていた。
届きそうで届かない、そんな遠くにある光。
精一杯光って、光って、希望の存在を訴えていた。
ここに届いているこの光は、何年前のものだろう。
その何年ものときを超えて、希望は残っていた。

神さまが間違えて星のミルクをこぼしてしまったような、天の川。
いつの間にか、目には涙が溢れていた。
この世界のすべてが、美しいと思えた。
もはや、死にたいとは思わなかった。
この目から溢れて零れ落ちた涙が、空で希望の星となって瞬いていた。
眩い。

希望で溢れている。


――空に、星が溢れている。

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