10年前の私へ
私は割と元気です。
挫折しても立ち直りが異常に早いのは今も変わってないよ。
こういうのは明確なことを書くとヤバいと相場が決まっているのでハッキリは書けないけど、なんとかやっていけてる。大丈夫、食うに困ってはいない。
知ってはいると思うけど後悔する前に忘れるからなんにもヒントが出せなくて困ってます。うーん。
出会いも別れも沢山経験するし大やらかしを割とする。とりあえず周りをしっかりと見ろ、マジで。注意力を上げろ。
そして、何を選んでもなんとかなる。相変わらず運は良い方だからね。成功はしないし失敗は結構するけど。それを糧にできる図太さとしぶとさがあるから。
居てもいい。大丈夫。
揺れる車窓を覗けばお菓子の家にチョコレートの湖!キャンディーケンの街灯にピンクのリボン!
ここはバレンタインの街
お菓子と薔薇の香りに包まれた街
ウエハースとプレッツェルの橋の向こう、メレンゲの雲が煙突から浮かぶ場所。
道行く皆ホワイト、ブラウン、ピンクの装いで、
女王陛下にご挨拶。
さあ、皆さんご一緒に
ごきげんよう!!
彼女はよく好きだと伝えてくれる。
目が合ったとき、他愛のない話をしているとき、呼び掛けに答えたとき。ふとした日常の中で言葉の花を手向けてくれるのだ。
曰く、
「美しくて難解な言葉を綴るのも好きですけれど、真っ直ぐな好意は飾らずに何度でも伝えたいの」
私は自分の気持ちを伝えるのがとても怖い。
家族であっても恋人であっても、意味が歪に捻じ曲げられて届くかもしれないのが酷く恐ろしいのだ。
初めて口にした「好き」のふた文字はみっともなく震えて消えそうな響きだったと思う。
告白でもない、改めて伝えるシンプルな想いのくせして何をこんなに怯えているのか。
彼女がくすくすと笑っている。変だった?声が裏返ってた?
彼女は羞恥と恐怖でくらくらする私の顔を掬い上げて言った。
「いつもカッコつけな、好きな女の子から素敵な言葉を貰えたんですもの!!幸せで笑いが止まらなくて困っちゃうわ!!」