27(ツナ)

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4/21/2025, 1:45:36 PM

「ささやき」

季節は春。草木は芽吹き、暖かな日差しに包まれ、新たな生活に浮き足立つ人々の活気。
…とは裏腹に、ただ3年に進級しただけで何の変哲もない僕の日常。

放課後の静かな教室で惰眠を貪る、という今の時期にしかできない至高の娯楽を楽しんでいる。

微睡の中、教室に入ってくる足音が聞こえた。
「まだ、教室に残ってる輩が…しかも、昼寝なんかして。」
一瞬ビクッとなったが寝たふりでやり過ごすことにした。が、どんどん僕の方に近づいてくる。
僕の娯楽を邪魔しにきた奴は、あろうことか、僕の顔を覗き込んできた。
僕の寝顔をじっと眺めたかと思うと、
「きれいな寝顔だな…。って、俺なにを!」
そう、僕の耳元でささやいて教室を後にした。
一体、なんだったんだ…そして、誰だったんだ?どこかで聞いたことのある声だったが。

数日後、休み時間に放送が入った。
「ゴホン、えー、生徒会長より、役員の方々!昼休みに10分ほど緊急のミーティングがあるので、終わり次第生徒会室にお願いします!」

僕はピンときた、コレだ、この声だ。クラスメイトで生徒会長のあいつの声だ。
放送室から戻ってきたあいつと不意に目が合ってしまい僕は思わず口角が上がった。
すると、会長がブワワッと赤面した。
ビンゴ!
これから1年、楽しくなりそうだ。

4/20/2025, 11:49:28 AM

「星明かり」

真っ黒な布に無数の宝石を散りばめたような星空。

月の明かりとはまた違って包み込まれるような圧倒的に美しくて幻想的な星明かり。

無数の人間が行き交う都心の交差点。 
そんな中で、ひときわ輝いて見える君。
無数の星の中で、目を惹くほど強い光を放つ星のよう。

君はまるで、一等星。

4/19/2025, 11:01:51 AM

「影絵」

私は昔から絵を描くことが好きで、よく影絵を描いていた。
影絵は余計な表情を描かなくても、黒一色だけで表現することができるから好きだった。

絵で食べていくつもりはなかったけど、とりあえず美術系の大学へ進学した。

そこには才能の化け物が大勢いた。私は足元にも及ばない。
校内の展示会である彫刻作品に出会った。
その人物彫刻はあまりにも精巧で、ただの白い石膏なのに、今にも目を開けて動き出しそうなほど、美しい女性の姿に私は自然と涙をこぼしていた。

その作品に出会ってから、私の影絵に表情が生まれ、化け物たちに少し追いついた気がした。
私も、黒一色だけで誰かを魅了するほど美しい作品を作ってやる。

4/18/2025, 11:08:51 AM

「物語の始まり」

ピッピッ、ピッ、ピ──────。

これで『僕の人生』という物語は終わった。

それからかなりの時間が経過して。
意識を取り戻すと真っ暗闇にいた。
辺りにはドクンドクンと心臓の音だけが聞こえる。
すると真っ暗闇から急に明るい空間に出た。
あまりにも眩しくて声をあげた。

「オギャア、オギャア!オギャア!」

「母子ともに健康です。お母さん、おめでとうございます!元気な女の子ですよ!」
「生まれてきてくれて…ありがとう。」

これから『私の人生』という物語が始まった。

4/17/2025, 11:14:22 AM

「静かな情熱」

私の日課は毎日元気に登校して隣の席のクールなあの子に1日1回は話しかけること。
「いえ。」とか「はい。」くらいしか返ってこないんだけど…。
私はめげない!仲良くなるまで!

ある日、イツメンから放課後遊びに誘われたけど、正直今日朝からめっちゃ体調悪くてキツい…。でも、断ったらノリ悪いって思われそうだし、どうしよう…と迷ってると、あの子が突然私の腕を掴んで教室を出ていった。

パニックになってる私を保健室に連れていくとパッと手を離すあの子。
「…突然すみません。今日は朝から元気なさそうで、さっきお友達に囲まれてる時も、すごく辛そうだったので。勝手なことしてすみません。じゃ、無理しないように。」
そう言って教室に戻っていくあの子。
なんそれ…。めっちゃ私のこと、見てくれてるじゃん。好き。

好き好き全開のアホな私と無口だけど超情熱的なあの子との恋が動き出した。

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