12/26/2025, 3:29:54 AM
残されたのは、変わり果てた町並みと、多くの死骸。
そこには過去の面影は一切なく、ただただ腐敗と弾薬の臭いが充満していた。
こんな筈じゃなかった。
すぐに終わるとされた戦いは徐々に苛烈さを増して、両者共に犠牲者を積んでいった。気づけば何故争う事になったのかさえ思い出せないほどに、戦争は激化の一途を辿り、理性などとうに無くなっていた。
両の手は握り合わされたまま、血に塗れ固まっている。
十字の祈りは死体と瓦礫に埋もれて、もう誰にも届かない。
ただ、静寂と廃墟の中、誰に問うでもなく生者は祈り続ける。
もう帰らぬ誰かの為に。
「お題 祈りを捧げて」#104
12/24/2025, 2:24:15 PM
もう、あの体温を思い出せない。
幸せだったはずの時間は苦痛と苦悩に押し潰され、絶望のうちに塗り潰され、消えていった。
残ったのは壊れて歪んだ心だけ。
それはとても冷たい、暗く凍えてしまいそうな程の、温かな過去。
「お題 遠い日のぬくもり」#148
12/24/2025, 3:05:28 AM
ボッと灯る頼りない光は周囲をゆらゆらと浮かび上がらせる。空気の揺らぎに合わせて火柱が揺れる。隣り合う影が動きに合わせて揺らめく。
人工の明かりとは違う、やわらかな火。
人類が見出した、温かい灯火。
「お題 揺れるキャンドル」#147
12/22/2025, 4:59:06 AM
捨てられたら、どれほど楽に生きれただろう。
捨てられない想いは絶えず増え続け、やがて心を埋めてしまう。
窒息寸前の心は、それでも想いを捨てない。
だってそれらは大切な、私の一部なのだから。
「お題 降り積もる想い」#103
12/19/2025, 3:51:24 AM
怖くて、蹲っている。
何も見なければ傷つかなくて済む。
何も聞かなければ気にかけなくて済む。
この世界はあまりにも、広すぎる。
私の心には、まだ子供だった私が住み着いている。
「お題 心の片隅で」#146