7/25/2025, 8:21:19 PM
半袖
貴方は半袖を着ない。
貴方の傍らにはクッション。
もう片方にはブランケットを兼ね備えていつだって眠りこけている。
指定の真っ白なカーディガンを着て、
伸ばしっぱなしの髪を垂らして、
大きな黒縁メガネをかけた貴方に肌を見せる隙なんてない。
ぼんやりとした大きい目はうつらうつらと彷徨っている。
厚いまぶたは今にも閉じてしまいそうで。
どうか眠らないでと心のなかで嘆願する。
眠った貴方には隙が出来てしまうから。
カーディガンの下の制服、その下の素肌。
真っ白な肌に刻まれる無数の傷跡。
夏にはインナーを着れない貴方。
どうかまだ眠らないでいて。
半袖を着れない貴方。
冬まで眠らないでいて。
その隙を知るのはあたしだけでいいから。
7/8/2025, 1:51:37 PM
あの日の景色
7/8/2025, 6:05:50 AM
願い事
寝ぼけ眼を何度も擦り上げ夜明けを待つ。
貴方はこない。
逢瀬はありえないと知りながら。
ひらひら揺れる笹、七夕飾り。
ハラハラとこぼれる心、感情。
蒸し暑くてじっとりした風が頬を撫でる。
吹き出る汗では、こんな体では、手では、顔では、
貴方を引き止められない。
ここにいない貴方。
もう会えない貴方。
私以外を選んだ貴方。
願いは醜い。
貴方だけが、幸せでありますように。