「人生は長い旅だ
毎日は冒険だ」
これは
日々努力して、自らを成長させている
活力的な人たち
その人たちだけの言葉だと思っていた
ただ過ぎる時間に身を任せて
驕らず焦らず無理もせず
淡々と生きている普通の私には
縁のない言葉だと
でもさ
人生も毎日も、
その人の内情など知らんと言わんばかりに
勝手にやって来て
勝手に過ぎ去っていくもの
平等に与えられた試練でもあり
褒美でもあるのかもしれない
私も、あの人も、君だって、
1秒先の未来で何が起こるか
そんなことわからないだろう
それなら、その平等に与えられた世界を
どう進むか、どう色付けるか
決めるのは私だし、あの人だし、君だよ
それ即ち
生きている、その事こそが
長い旅であり、冒険である
そういうことだろう?
さあ、どう転ぶかなんてわからない
もしかしたら一瞬の判断で死ぬかもしれない
だけどもう止まれない
行こう、まだ見ぬ世界へ
明日へ
──────────────まだ見ぬ世界へ!
綴
人が持つ五感のうち
死ぬとき最後まで残るのは
聴覚らしい
日々生きる中で
人は多くを覚え、そして忘れる
人が人を忘れる時に
最初に思い出せなくなるのは
その人の声
いつか最後が訪れるなら
その最後に
君に何を言おう
何を伝えよう
───────────────最後の声
綴
たとえば、
君の寝顔に向けて「いってきます」と言う朝だったり
「疲れた」という君に「えーもう?」と毒づきながら合わせる歩幅だったり
洗濯機から取り出した君の抜け殻についた皺を丁寧に伸ばす瞬間だったり
半分こしたドーナツ、少し大きい方を君にあげたり
怖い夢をみた、と夜中に起きてきた君より先に寝ないようにしたり
──────────小さな愛
綴
どんなに頑張ってもその先が見えない時
叫んでももがいても進めない時
どうせ私なんか
なんで私ばっかり
そうやって全部やめてしまいたくなる
実際、その通りなんだ
今、必死に続けていることも
ずっと心にあるその不安も葛藤も
広い宇宙の片隅の小さい地球に在る小さいこの国
その中に存在さえも知ってもらえていないような
ちっぽけな私
確かにここに在る
でもそれを知ってくれている存在は
数えられてしまう
そうだよ
どうせ私なんか、誰も興味ない
私の事なんか、誰も知り得ない
でも、だったら
それでいいんじゃない
見ててくれる人が居なくても
知ってくれる人が居なくても
私が、私を諦めない限り
私の世界は
どんなに小さくても在り続ける
皆、そうなんだよ
それぞれに頑張って、
そこに在ろうと頑張って
虚しいひとり旅を続けている
それでいいんだよ
それでこそ人間なんだよ
だからこそ平等なんだよ
皆、見上げれば同じ空があるのと同じように
さあ、今日も私を生きようか
ほら、空はこんなにも
青色なんだから
──────────────空はこんなにも
綴
未だ早い宵の頃
陽がその姿を隠し、
薄暗い世界の中に
小さな輝きを見つける
月と星が踊る夜
その小さな輝きひとつひとつに
大きな物語を見つける
あれは、私の。
今日も何気ない1日だったが、
こうしてちゃんと生きている。
あれは、今朝すれ違った人の。
あの後どんな時間を過ごしたろうか、
良い日になったならよかったな。
あれは、疎遠になった知人の。
あの時のことはまだ許していないけれど、
元気にしているならいい。
あれは、君の。
大切な、とても大切な人の輝き
今も昔も、そしてこの先もずっと
そこで灯り続けてほしい
願わくば、
君と私の輝きがひとつになって
今よりもっと
大きな輝きになればいい
消えることの無い輝きを
生涯、灯し続けられますように
────────────────── 街の明かり。