→枯葉占い
その日一番初めに出会った枯葉を手に取って、空にかざしてみてください。
その葉脈の広がりが、あなたの今日の運勢です。
テーマ; 枯葉
→「またね」とは言わない。
夜、私は日記を開く。
今日の日付にペンを走らせる。
別れが迫っている。
もうすぐ今日の「日付」は昨日に代わり、明日に控えていた「次の日付」が今日になる。
今日の終わり感謝を込めて、日付に「さよなら」を告げよう。
私たちが出会うことは、もう二度とない。
日付は過ぎ去り、私は先へ進む。その間隔は広く広く、積み重なりが過去になる。
私は日記を閉じる。
テーマ; 今日にさよなら
→短編・取り調べ室
はい、僕は彼女のことを心から愛していました……。
え? じゃあ何故彼女の腕を強く引いたのかって?
あなたは、お気に入りのおもちゃが奪われるのを黙って見ているんですか? 手元に留めておきたくないんですか?
何の話をしているのか、ですって? 話はズレていませんよ。
僕は彼女を愛していた。だから、その手を離したくなかったんです。
その結果、もがいた彼女の手が僕から離れ、彼女は飛び出してきた車に轢かれてしまった……。今思い返してみても、とても痛ましい事故でした。
彼女の死に、僕の心は散り散りになってしまった。この痛みの代償を彼女から受け取れないのは、非常に残念です。
ところで、僕は何故取り調べを受けているのですか?
テーマ; お気に入り
→誰かの禁忌に触れる。
誰よりも、
誰かと誰かを、
誰であろうとも、
誰彼なしに、
「あれは誰だ」と訊いちゃならん。
テーマ; 誰よりも
→短編・引導
私の部屋で10年前のノートを見つけた。
なんとかページをめくってみる。
「死ぬな!」
たったそれだけ、書いてあった。
震える文字に、私は自分を思い出す。
苦労して保っていた思念が揺らぐ。その揺らぎは、全身から私という意識を溶かし始めた。
手の形を失った私から、ノートが滑り落ちる。部屋に積もった埃が舞った。
私は……誰だ?
自分を鼓舞するはずの言葉が、私の遺書になったあの日が、突如として私に襲いかかる。
夕焼け、どこからか漂う夕食の匂い、はしゃぐ子どもの声、通り過ぎる自動車、そして……動かない私。
すべてが私を包み、すべてがぐにゃりと歪む。すべてが、私の不在を知らしめる。
埃だらけの白い骨。割れた水がめと同じだ。形骸。魂は留まらない。
この世界に形を保てなかった私の最後の抵抗の跡が―、生を願ったはずの3文字が―、もはや私はこの世界に留まること許されぬ存在なのだと、私に本当の引導を渡した。
テーマ; 10年後の私から届いた手紙