僕は人から色々なものを奪って生きてきた。
お金や誰かの大切なもの、時には命だって。
いや、それだけではない。誰かの身体も奪って自分のものにして生きてきた。
何度も何度も身体を奪って生きてきたせいか、自分の生きる目的や自分はどこの誰だったのかもあやふやになっていった。
奪うことが目的ではなかったはずだ。なのになぜ息をするように奪っているんだろう?
そんなことを考えていると僕の前に天使が落ちてきた。
その天使は大ケガをしていた。いつもの僕だったら身ぐるみ剥いで売り捌いたり回復を待って見世物にしようと考えるところだけど、この時ばかりは心から助けたいと願った。
だけど天使は日に日に衰弱していって、助かる見込みもなくなっていった。
だから僕は天使の身体を奪った。
そうすれば天使は僕の身体で生きることができる。
僕はどうなってもいい。ただ、天使に生きていてほしかった。
これまでその身体で犯した罪をなすりつけてしまうようで申し訳ないけど、これしか方法はなかった。
こんな極悪人に願われてもしょうがないとは思うけど、どうか願わせてほしい。
君のこれからの人生と心の旅路に幸多からんことを。
凍った鏡は鏡の役割を果たせるのだろうか?
……と考えてふと気づく。
凍てつく鏡って結局氷のことではないのだろうかと。
それか手鏡とかを冷凍庫に入れてカチコチに凍らせてもそれはそれで凍てつく鏡になるのだろう。
……それはそれで夢がない気もするが。
でもなんだろう。凍てつく鏡という言葉からなんとなくゲームの重要アイテムっぽいものを感じてしまう。
中盤辺りのキーアイテムになってそうだ。
雪明かりの夜……
文字にしたらなんかロマンチックな雰囲気を醸し出してるし、実際に体験してみたい気もする。
でもいざ本当にその時が来たら「寒〜い……」しか考えられないんだろうなあ。
……やっぱり雪は暖かい安全圏から眺めるのが私は好きなのかも。
それはそれとして降ってほしいしたまには積もってほしいけど。
神さまの存在を私は信じている。
いないと言う人も多くいるけど、いるかもしれないと思う方が心の拠り所的な感じでちょっと気分も良くなる。
だから私は毎日お祈りする。
いつか神さまが目覚めたその時に私の願いは叶う。
神さまの居城が浮上して、世界がめちゃくちゃになって私も狂気に呑まれるだろう。
でも、それでいいの。
正気のままじゃこんな世界生きていけない。
私の信じる神さま……クトゥルフ神は圧倒的な力で世界をぶっ壊してくれる。
祈りを捧げていれば願いが叶う。
さあ、祈りましょう。
さあ、歌いましょう。
空高く天仰ぐ 今宵、星揃う時……
§
元ネタ? は『旧支配者のキャロル』です。
メロディは『鐘のキャロル』と同じですが歌詞が全然違います。
興味のある方は聴いてみてください。
昔、優しくしてくれた人がいた。
それはどこの誰かは覚えてないけど、誕生日とかにお祝いのプレゼントをくれるような人だった。
父の都合で引っ越したタイミングでその人とは二度とそれっきりになってしまったけど、その人は僕のことを覚えているのだろうか。
それとも僕が忘れてしまったから、その人も忘れているのだろうか。
ただ、あの遠い日のぬくもりだけは覚えている。
コケて膝を擦りむいた時、優しく手当てしてくれたあのぬくもり……
それを思い出す度に心がぽかぽかする。
……あの人もそうだといいな。