question
先生、教えてくださらない?
私は何に迷っているの?
だってなんにも困ってない
ただ、行きたい道の先が崖なだけじゃないですか
先生、教えてくださらない?
どうしてそんなに話したがるの?
人が一人墜ちることを社会は許容しているのに
どうして教養はそれを許さないのですか
どうして無関心でないのですか
私が迷子ではないからですか
私が迷えば存分に見限れて
この遺書もフィクションに堕ちるからですか
それなら、ずっと子どもでいたかったです
「question」なんて言葉を使えない
白兎を観ないアリスになりたかったです
誰も知らない秘密
実は私ね
詩ぬために書いてるの
なにかする為に生まれてきたはずなんだけど
色々あって忘れちゃったみたいで
だから、1番狂わされたこれで、たくさん狂わせるの
自分がこの世に生まれてきたんだって
それで目的はいいんだよって
そう言いたくて書いてるの
同情も友情も臆病も警鐘もいらなくて
ただ傍迷惑に私は、私らしさをするの
それをするだけの徳は積んだし
それに至るまでの毒も摘んだから
だから、お行儀よくちゃんと読んでてね
全ての詩が終わるその時まで
悪い詩が暖炉の火を消す、その時まで
あおい
手を繋いで
もし手がなくても
手は繋げるらしい
変な言葉
それこそ言葉狩りみたい
もし手があっても
手なんて繋げない
変なオトナ
恋ってもみじ狩りみたい
部屋の片隅で
もし、もし、もしだなんて
ほんとばかげてる
積もりに積もったあなたなんて
ほんとみっともない
もう、もう、めんどうなの
誰かと比べる人生も
上の上から見るあなたなんて
ほんと、首が痛い。
キャンドル
その灯台は、どうやら探し物をしているらしい
小さな浜辺に腰掛ける少女は、不思議な笑みを零した
町外れの夕暮れは色鮮やかで、色褪せなくて
車に映るレンズフレアが、波を焦がした
「ねえ、このまま旅に出ない?」
小さな音と光が、まるでカタルシスのようだった
「ここじゃないどこかに行ってみたいの」
逃避を求めた愛、しかしその眼には煌めきが見えた
ああ、なんてアンビバレンス
あの子に灯りなんていらないんだ
ああ、なんてアンビバレンス
あの子に灯りなんていらないんだ