「I love...」
「What do you like ?」
流暢な英語で、君が問う。放課後の教室には、君と僕しかいない。
「アイ ラブ...」
明らかになれていない発音で僕は言葉を紡いだ。
「違うよ!likeで聞いたんだからlikeで返さなきゃ!」
仕方がないな、と言わんばかりの表情を浮かべながら、細かく君は指摘する。それでも僕はその指摘を無視した。
「I love ...」
「だから……」
「you」
さっきよりも綺麗な発音で言えたと思う。君は困惑した顔をして、僕の言った意味を理解したのか段々と顔が赤くなっていった。きっと僕の顔も君と同じくらい赤いのだろう。
異国の言葉に想いをのせると少しだけ伝える勇気が出た。
夕日に照らされる教室に、君の「ミートゥー」というか細く震えた声が響いていた。
「街へ」
ずっと暗い部屋に閉じこもっていた私を、あなたは半ば強引に外へと出し、街へと連れ出した。
外になんて出たくなかったし出る気もなかった。けれど、あなたと見る、久しぶりの街の景色は新鮮でキラキラしていて、色んなものに目を奪われた。
あなたと一緒でなければ、1人で街へ行くことなどほとんどなかったであろう。
私の手を引くあなたを見る。あなたがもし、いつか、今の私のように傷つき閉じこもる日があれば、今度は私があなたを街へ連れ出したいな。
「優しさ」
本当の優しさってなんだろう。君に差し伸べた手を振り払われた時、思った。
優しいつもりで接しても、相手には棘に感じてしまうこともある。対等に接しているつもりでも、いつの間にか上下関係が生まれてしまったり偏見が入ってしまったり。私が差し伸べた手は本当に優しいものだったのだろうか、それとも君にとっては痛々しい棘だったのだろうか。優しくしたいというこの気持ちですら、誰かを不快にさせてしまうものなのだろうか。
優しさ、というのは簡単なようでとても難しい。本当の優しさとはなんなのか、考え続けながらそれでも、手を差し伸べることを私は諦めたくない。
「ミッドナイト」
きっともう、今日は来ないだろう。そう思っていても、もしかしたらと考えてつい何度も携帯を開いてしまう。諦めて寝ようとしても、どうしても気になって眠れない。
明日も朝早いのに、私は何をやっているのだろうか。
そうこうしているうちに時間が経ち、日付が変わったらもう寝よう、と決めた。
ピロンと着信音が鳴る。差出人は君。届いた時間はちょうどミッドナイト。私の眠れない夜が始まった。
「安心と不安」
安心したのも束の間、すぐに新たな不安が首をもたげて私の心を覆い尽くす。この不安は、尽きることがないのだろうか。もっと安心して安定した心持ちで生きていたいのに、不安は勝手にやってくる。
いつか不安が消えて穏やかに過ごすことってできるのかな。