少ないよ、少ない。
お前に残ってるのは本当に少ない。
その機械なんかに負けるなよ。
身を任せて、呑まれたのか
マフラーの震える音、タイヤがコンクリと擦れる音。
クラクション、白黄色赤、ビルの明かり
白い街灯、群がる蛾
先刻の、雨水溜まるマンホール
窶れ、黙れ、愚息達
菊百合菊百合白の鳥
白い百葉箱とあの子
無能十一 耳無芳一
パイナップルの苗を抱えて、大泣きして
嫌な日、なんて嫌な日
腫らした眼、潮風に吹かれて腫れたよう
夕刻の満月、憂国の、
草いきれに気を取られ、
見逃したあの時を
お返し賜われあの時を、銀の首輪の幼き君と
閏月を返したまえ、父、父よ
野兎と、脱兎
あんなのただのクレーター
死などどうでもよかろ、ジャンプして
穴が空いてもよかろ、服破れ
窒息してもよかろ、かの凍死の君と
手を離さない
貴方の地下室には素敵なものが沢山だと思う
白くて小さい小鳥に、青い星たち
決して青い鳥や金色の星は無いけれど
微かな幸せが沢山詰まっている地下室
恥ずかしがらないで見せてほしい
人の幸福なんて比べることはできなくて
貴方はそうなのね、と頷くことしかできないから
首を横に振るなんて、誰にもできないんだから
愛しのレヴィ
実は貴方を見ている暇なんて人生には無くて、
自分に希望を見出しているだけで、
本当は貴方を抱いているのは、
私が過信しているだけで、
私が誰かを模倣しようとしているってことの証明、
そういうことに気がついて、
貴方を捨てようとしている私がいる、
ずっとあったのに、
ずっと付いていたのに気が付かなかった翼、
取り戻そうと思う、
ありがとうレヴィ、
貴方の、嫉妬のお陰で、
大きくなれたところも沢山ある、
また、貴方が帰ってきたら、
私はまた貴方を切り捨てたいと思う
黒い海に揺られ、
氷のような風に吹かれ、
厳しいが、
目的地が分かっていれば流れ着くだろう。
「君、よーく、その舵を握っていてくれたまえ。」
オレンジのぼんやりとしたランプに顔が照らされている船長の、覚悟の決まった顔といったら。
私はこの人の為に舵を二度と離さないと決めるほど、頼もしく、勇ましくみえた。
「見失うな。自分で舵を握って舵を切るんだ。その結果沈没しても後悔はない。ただ、あまりにも強大な自然に、逆らえない時もあるがね」