明太子

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10/12/2025, 7:09:43 AM

博士はロボットを作っているらしい
感情をいれたロボットを作りたいのだと。
悲しみは喪失×記憶の強度だとかなんだとか
プログラムを何時間続けているのだろうか。
人間自ら必要とされない世界を作り出す意味が
僕には分からない
神話、宗教、文明、科学
人間らしいものを遭遇させたら
先祖の存在はどこへ消えるのだろうか
交わってはいけない
新たな未知は解明される前に他の全てが崩壊する
交わらないべきである
学問に収まる話ではない
それなのに、
世界が存在してはいけないモノに変わる瞬間が
もうそこまで来ている


未知の交差点

10/6/2025, 10:36:11 AM

老いた庭師は
縁側に腰を掛けゆっくりと息を吐く
今日亡き妻と世話した庭の紅葉を焼くつもりである
炎にかつての声を
煙にかつての仕草を
灰に過ぎた季節の温もりを見た
昔の情熱はまるでないが
モノと引き換えに精神は満たされた
消えた時間は灰と混ざり
翌春の、来世の、
まだ見知らぬ誰かの芽吹きの予兆になるだろう
そう願ってまた息を吐いた


燃える葉

10/4/2025, 9:25:58 AM

誰かさんが
誰かさんが
誰かさんが
見つけた
今日は誰が何を見つけるのだろう
期待、集団、自立、競争、友情、挑戦
時にそれらは
重圧、孤独、放任、比較、猜疑、混乱
と姿を変える
苦悩は理解され難く、
共感を浴びても意味はない
あいてしまった穴の型は見つかりづらいが
埋めてもらわねば進めない。
誰かが誰かを
誰かが誰かに
見つけられるその日まで


誰か

9/29/2025, 4:33:20 PM

人間は夢がないとかなんとかいって
自分の色を見落とし
世界が暗く見える時があるらしい
人生は塗り絵みたいなもので、
その章が終わっただけだと思う
次のページをめくったら、
ただ白くて黒かっただけだと思う
鮮やかな蛍光色はここでおしまい
次は色鉛筆かな。
水彩かな。
ペン画かもしれない。
また染め上げればいい
人から色をもらえばいい
少しずつ本から会話から趣味から
暗く見えるのは平常仕様だよ
新しい絵が出来上がるなら
モノクロもなんだか悪くないね。


モノクロ

9/28/2025, 3:32:11 PM

それでもあの夏の匂いは
胸の奥をくすぶっている。
蝉の声
湿ったアスファルト
蚊取り線香の残り香
大人を横目に
終わらない暑さに身を覆われて
小さな体は畳に転がる

戻らない時間と消えない記憶
いつかは忘れてしまうのだろうか
巡り巡る季節の裏で
未だ少しだけ思い出す


永遠なんて、ないけれど

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