12/15/2025, 2:31:25 PM
喉が乾くのはコーヒーを飲んでしまったからで、眠れない言い訳を作るのにはそんな、簡単な小さいことでよくて、だから水を飲んで、まだページをめくって、息を吸う、河川敷で投げた石のせいで濡れた服を気にして、笑って少し泣いてしまうような物語が胸に満ちて、またときめく。
『明日への光』
12/14/2025, 4:05:36 PM
大切なものがあるほど、失うのが怖いからだろうか。心細く冷たい空気を吸い込みながら、寝転んで本を読む。雲の下にいるとき、いつも喉に引っかかっているなにかの欠片と、間違えて一緒に暮らしているうちに、雨を好きになった、それなのに、星に手を伸ばしてしまうようになったのは。
『星になる』
12/1/2025, 4:12:41 PM
足のままにかき分けて行くほど重いスカートの裾なお重く湿ってはきらきらと靴の先まで満ち満ちてつめたい空気に胸の深くまで透き通る、肩がすくむ、鼻をすする息の白さがまた瞬く、道導になる
『凍てつく星空』
11/30/2025, 9:11:38 AM
外れたネックレスを飲み込んで舞う細かい雪のひかりで痛む喉、たぶん役に立たないよ、って笑うと、マッチだけ持って慌ててるきみの顔。それでいいからって思いながら笑う、いいから言ってよ、春になる前に早く。
『失われた響き』
11/29/2025, 8:00:54 AM
間抜けに眠る口に吸い込まれていった飛行機雲がゆっくりと薄青く溶けて消えてゆくのを見届けてから、あなたの毛布をかけ直す、ストーブを点ける。
『霜降る朝』