ブランコ
ブランコに乗って、空を蹴る。
飛ばしてくれない空を蹴る。
何度も同じ事を繰り返すだけのブランコ。
それでも夢中になってしまうブランコ。
地面を蹴って空に足を投げ出して、
空を蹴って蹴って、高くする。
高く高くなったブランコに身を任せて後ろに落ちて、
空が僕を飛ばしてくれるなら、
ブランコみたいなこの日々から抜け出せると思う。
でも、大嫌いな空を今日も蹴る。
幸せとは
手を出された。
僕は、知らなかった温かみと、
他の子達も知らない温かみを知った。
愛情?
性欲?
性愛?
どれかに当てはまるのだろうか。
世間は当てはめない。
犯罪。
異常。
不憫。
そうだ、確かに犯罪だ。
でも僕は心地が良かった。
嫌じゃなかった。
空っぽだった心が満たされてしまったから。
幸せとは?
僕の事を、誰が不幸と言っても、
僕の心は幸せになってしまっている。
幸せとは、それは独りよがりで、それは間違いで。
その気の所為が幸せなのかもしれない。
日の出
あ、今日が始まった。
太陽の光が彼の横顔を照らしている。
この今日は、彼が越したくなかった今日。
私は、それを止めてあげた。
彼が見たことない今日に生きているなんて、嫌だ。
なら私のすることは決まっている。
決まっていたのに。
なぜ私だけ昨日を越してしまったのだろう。
彼は私をなぜ置いていった。
日の出が見える。
嫌という程今日だと認識させてくる。
凍える指先
豪雪の夜。
シャクシャクと水混じりの雪を踏む音がする。
何も感じない。
凍える指先が触れる。
貴方の頬からは何も伝わらない。
「ああ…寒いよ、冷たいよ。」
キラと光ったあれはなんだろう。
雪の光だろうか。
刀の光だろうか。
暖かい。
その暖かさで僕は貴方と一緒に眠ってしまった。
落ち葉の道
私の好きな木、ケヤキ
森にある公園の奥で見つけた大きなその木に、
私は心を奪われた。
悩みも不安も何でも包んでくれる、
重厚なこの木に私は体を任せて静かに目を瞑る。
秋になっていつものように彼に会いに行く。
公園から森に行く途中に、
赤や朱色に染まった落ち葉の道が出来ていた。
彼の一部を広い集めながら、その道を進む。
私の好きな木、私が恋した木
樹木性愛と言うらしい
この自然に包まれている感覚、
幸せに満たされる感覚のことだろうか。
落ち葉の道を進んだ先には、葉が落ちた彼が居る。
私は毎年、秋になればその落ち葉の道を進むだろう。
私の寿命が尽きるまではずっと。