Iben

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11/24/2025, 2:37:51 PM

君が隠した鍵

良いんだよ隠して。
そう、僕が分からない所に
君が隠してくれれば良いんだ

そんな悲しい顔しないでよ。
また会えるって、ね。
それとも君は僕に会いたくない?
あぁ、答えなくていいんだよ
そんなこと聞いたら僕ここに居たくなくなっちゃう
じゃあ、そろそろ行った方がいいよ。

君が隠した鍵、
僕が絶対に見つけられないように
隠してもらった鍵、
ここから逃げ出さないようにかけられた鍵。

あぁ、僕っておかしいんだって。
異常者なんだって。
だからここに居なくちゃいけないんだって。

君は自由でいいなぁいいなぁいいなぁ。

大好きな君を傷つけたくない。
羨ましいけど、本当の僕はそんな事したくないの。
だから大好きな君に僕の鍵を渡した。

でもね、君が隠した鍵見つけやすかったよ。
恨みがましいことしてごめんね。
鍵を隠してくれてありがとうね。

でも、鍵だけあっても鍵穴がなければ役に立たないよね。

11/14/2025, 10:37:05 AM

ささやかな約束

ささやかな約束だと思った。

好きだったあの子に告白をした。
彼女は物腰柔らかく、
いつも場の雰囲気を和やかにさせる人だった。
僕はそんな貴方を尊敬していると、
傍に居たいと、伝えた。
彼女は一瞬、戸惑った顔をしてから笑い、
嬉しい、と言ってから僕をフった。

それから数週間後、彼女は突然話しかけてきた。
「今日の夜、君の家の窓から外を見ててよ。」
何故?なんて問う前に口は返事をしていた。
顔が熱いことに焦っていた僕なんか、
微塵も気にしていない彼女は優しく諦めたように微笑み
「約束ね。」
と言った。

恋は盲目。
今、僕は彼女とのささやかな約束を思い出し、
本当にそうだなと身にしみて感じた。

僕の家は10階建てのマンションだ。
僕の部屋の窓から見えるのはビル。

約束の夜、彼女はそのビルから飛び降りた。

僕は約束を守って、窓から外を見ていた。
ああ、絶対に無事では無いなと、
知識がなくてもわかる、嫌でもわかる衝撃音が響いた。
血の気が引いて、冷たい汗がつーと背中を伝う。
止まらない震え、耳に木霊する音、冷えきった空、
彼女の笑顔。
あのささやかな約束の事。

11/9/2025, 1:43:26 PM

心の境界線

芸術というものは、
自分と向き合うという辛い行為をする。

自分の感情や考え方、生き方。
芸術はそれを形にする。
形になったものは誰か、他人が触れられる。

だから芸術は生死がかかっている。

自分の柔らかく、形の無いものをかたちに起こすから、
それを人に触れられてしまうから。
それを自分が、自分の心の境界線を超えて、
形に出来そうなものを、心の奥深くまで探ってしまうから。

11/8/2025, 2:33:34 PM

透明な羽

バサッ

透明な羽、
見えない羽。
目障りな羽。

ぐちゃっ、ぐち、ぐちっ、

引きちぎれた羽。
透明になった羽。

それでもあなたの背中には羽がある。
何故、ちぎっても、ちぎっても、
生やして、生やして、飛ぶことができる?

ぶちっ、ぐちゃっ、ぐちゃっ、

あの透明な羽が、
無くなるまで
ボクは引きちぎる。
とっくに落ちて腐ったボクの羽。
君の本物の羽だって腐ったのに。
何故か君にだけ生えている透明な羽。

ぐちゃっ

11/3/2025, 1:35:03 PM

行かないでと、願ったのに

僕を撫でる貴方はいつも悲しい顔をしてた
大丈夫だよ!僕が守るからと思っているのに貴方は気づかない

貴方が帰ってきて直ぐに駆け寄る
その日はなんだかいつもの悲しい顔ではなかった
なにか、事切れたような、そんな…

僕は、僕の方が寿命が短いから
貴方が居なくなるところは見ないはずなのに
行かないでと、願ったのに
どうして?
僕が人間じゃないから
どんなに願おうとも言葉に出来ないから

理由は分かっていても、
もう撫でてくれる貴方は行ってしまった

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