水無月はじめ

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2/19/2026, 10:10:45 AM

『枯葉』

さわさわ鳴る振袖草が
沈む夕日を見送っている

くるくる落ちるもみじ葉が
かさかさと音を立てて
風下に積み重なっていく

払っても払っても
掃いても掃いても
次々風に流されてくる

いっそ燃やしてしまおうか
もう構うことは無くなるだろう

ふと遠くの山を見た
燃え盛るような
赤と黄の着物を着た山が見えた

僕が燃やす必要はない

自ら燃え盛り生きている

見上げた空はどこまでも青く
それで頭を冷やすことにした

2/18/2026, 10:04:57 AM

『今日にさよなら』

明日は明日の風が吹く

そよ風か
暴風か
竜巻か

明日にならないとわからない

今日は今日で風が吹いた

それは柔らかな風だった

今日の風が続くよう
明日の自分に襷を渡す

2/17/2026, 10:06:00 AM

『お気に入り』

その辺で拾った小石や小枝
風に乗ってきた淡い花弁
打ち上げられた丸っこいガラス

大事に箱にしまっていたのに

どこで無くしたのだろうか

子供の頃の思い出と共に
確かにここにしまっていたのに

仕方ない

もう一度集めに行こう

そして今度は
思い出と共に
心の棚に飾っておくのだ

2/16/2026, 10:12:32 AM

『誰よりも』

死者は山に帰るのだと
太古の人はそう言った

星となって見守ってくれている
そう唱えた人もいた

全ては無に帰ると
そう説き回った人がいた

墓の中にその人はいないと
そう歌った人もいた

ならば今
君は一体どこにいる?

誰より想っている自信はある

無から有が生まれ得ると
そう発表した学者の言葉を
薄ぼんやりと信じている

2/15/2026, 10:12:05 AM

『私から届いた手紙』

ポストに入ってた古びた封筒
忘れてた記憶を呼び覚ます

中に入ってた手紙には
褪せた数枚の桜の花びら

パリパリに乾いた茶色の欠片が
セピア色から色づいていき
記憶の中の桜が咲いた

手紙に書かれてた名前は
まごうことなき自分の名前

『10年後の私は何をしてる?』

それには返事を書けそうに無い

でも

水墨画のような心の中で
桃色の雫が広がっていく

10年後の私宛には
なんとか言葉を紡げそうだ

部屋に埋もれていた封筒に
同じ言葉を書くことにした

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