懐炉 @_attakairo

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12/14/2025, 12:48:31 PM

永久恒星なんてどこにもないの
生まれたものは死んでゆくから

探している星は見つからないの
もう望遠鏡にも映らないから

死ぬ瞬間なんて視たくはないの
美しさを求めるのは罪深いから

お母様、みんな死んだら冷たくなるのね

だから永遠を誓うと切なくなるの
星も名付けられる生命だから

【星になる】

12/14/2025, 12:54:13 AM

「いだっ」
「……何故、こんなところに」
「なぜって転寝日和の午後だから、それも経った今終わったけど」
「助教が涙目になって探してますよ」
「今日は休講だよ」
「経った今決めたでしょう」
「うん」
「先週の課題の、答え合わせなんですが」
「答えのある課題なんて出さないよ。なんにも面白くないったら」
「結局判りませんでした。締切だって昨日思い出して、徹夜です」
「一夜漬けじゃないか。君そういうタイプなのか、面白いね」
「判らないのが正解ですか」
「正解は無いよ」
「すると、鐘は鳴らないのかもしれませんね」
「何故そう考えたのかな」
「基本的に私たちは無関心だから」
「…………」
「それとも教授、貴方は『聴こえなかった』とでも言うんですか?」
「いいや。君の言うとおり、私たちは基本的に無関心で、無責任で怠慢だからね」
「そこまでは言ってません。早く起きてください」
「悪いね。ところで何か忘れているよ」
「なんです」
「君に足首を踏まれたんだが」



「教授」
「うん」
「次の講義に遅れます」
「そのようだね」
「急ぎましょう」
「ここから間に合うかな」
「走れば一分前には着きます」
「……では肩を貸してくれるね?」

【遠い鐘の音】

12/12/2025, 1:31:19 PM

暖色と寒色、交互に照らされた夜道を踏み荒らしたくないので迂回した。
美しさとは想像を超える。
想像を超えるものは、やはり想像を超えて遥かに恐ろしいので、人は近づかないほうが良い。
それでも質感が気になって、手にすくってみる。
想像では柔らかな冷たさがあって、すっと溶けた。
実際には激痛に痺れがあって、じんわり熱を帯びたまま。
これが雪。
これが美しさの本性か。さらさらと溶けては消えず、べたりとした触感が残る。
それでも懲りずに、
逆さ箒の枝の幹。
座れない長椅子。
結べない星座。手を伸ばしてはいけないものの正体を確かめる。

明日は快晴。
細氷の眠りが夜道に敷き詰められている。

【スノー】

12/10/2025, 11:58:31 AM

ホットなミルクに はちみついれて
きのスプーンでかきまぜる

ふんわりうかぶ やさしいできごと
あのひと こんやよくねむれていますよに

ベージュのカーテン
もう9じだもの
きっとまんまるね おつきさま
おきにいりのえほん
まだあったかな
ボロボロやぶれていたって いいの
いま なによりもふれていたい

すべてがあたたかで ありますように
むろん
すべてに かこも
ふくまれます

【ぬくもりの記憶】

12/9/2025, 11:30:01 AM

不自然なことに気づいたの。からだの感覚が無くって。
夢の中でも、もう少し何かあると思うけど。うまく走れない怠さとか、熱を持たない痛みとか。
あとはなんだろう。忘れてしまった。
 
そうだ。
なんで貴方は怒っているの、とか。
どうして私は、謝っているの。とか……

やっぱり夢の内容って面白い。夢だと気づいたら、もっと面白い。
絶対に起こり得ないことに対しても、私は真剣に考えて。本気で向かって、全力で生きて。
莫迦らしい。

無駄な想像力に傷ついて。
目が覚めたら涙して。
現実はどう? 今朝見た夢よりも不自然じゃない?
何も思い通りにいかないじゃない。

回想して日記を付ける。他人のような私を書き留める。
体温なんて元から要らなかったのかも。
からだは芯から冷えていくの?
それとも末端から?

鉛筆がみつからない。いつも枕元に置いてあるはずなの。

【凍える指先】

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