︵︵ 心の中の風景は ︵︵
僕は小さい頃から能力を持っていた
どうして手に入ったのか分からない
けれど、そんなすごい能力ではない
『心の中にある一番の景色を見る』
そんな能力だ
目を10秒見つめる
それだけでその人の心に残る風景が
写真のようにわかる
幼馴染を覗いた
家族と山頂で見る日の出
前に話してた初めての登山か
担任の先生を覗いた
喜ぶ女の人と夜景レストラン
プロポーズでもしたのだろう
彼女を覗いた
彼女の推しがファンサする姿
流石に僕ではなかったか、、、
視線を感じて後ろを振り向く
目が合ったのは隣のクラスの人
一度だけ同じクラスになったことがある
いつの間にか10秒たっていた
そこには笑顔の僕がシュートする一枚があった
え、僕!?
その子はそのまま逃げるように帰って行った
wwwwwwwwwwwww 夏草 wwwwwwwwwwwwwww
足のすねにさらさらと当たる夏草
君に蛍を見ようと言われ来た河原
光るスマホと反射する君の横顔
ふと、止まった君
「今日も月が綺麗だね」
そういう君は苦い笑顔を浮かべる
そんなに月が好きなんだな
毎日話す月の話
「明日も月が綺麗だろうね」
そうして見えた君の月影
煌めくナイフと刺さる夏草
知ってた、その言葉の意味を
今日、君がナイフを持っていたことも
さらさらと歌う川の歌
さらさら刺さる夏の草
さらさら揺れる君の髪
さらさら流れる
二人の愛
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
〇ここにある〇
今まで生きた証がここにある
私の目に脳に身体に刻み込まれている
私が失いたくないものもここにある
生きた街、話す人々、私という存在の認識
ここにあるもの全てが私の全てだ
私を見失ったらきっと私は探すだろう
どんなに遠くを探しても見つからない私は
きっと、ずっと、ここにある
素足のままで
私は素足の人間が一番美しいと思う
薄く頑丈な皮膚
四角でも丸でもない歪なフォルム
なんでこんな綺麗な足を
布で革で隠してしまうのだろう
指の一つ一つを伸ばすのは気持ちがよく
誰にも邪魔されてない
だから私は部屋の中を素足のままで過ごすのだ
…もう一歩だけ…
君はいつも前を歩いていってしまう
村を守る勇者として、、、
私はただの魔法使い
君の後ろをついて回るだけのね
それより、君の横に立つその子
君の役に立てる僧侶の女の子
まぁ、そうだよね
君の横は彼女がふさわしい
私なんかよりずっと
けど、昔は親友だったんだよ
村一番のコンビだったんだよ
ねぇ、今はこんなに差ができたけど
「君の横を歩きたい」なんて言ったらだめかな
そんなことを思いながら君を見る
いつも前を歩く君に少しの恋心を込めて
もう一歩だけ進んだ