ねえ、君。僕の大親友。
僕のことを唯一分かってくれる大切な友。
君と一緒にいたい。
いつまでも、いつまでも。
でも君はただひと言、ニャアと鳴いて、目を閉じた。
ダメだ。まだ逝っちゃダメ。僕と一緒にいて。
僕には、君しかいないんだ。
僕は冷たくなりゆく君を抱きしめる。
涙が止まらない。
ああ、引き留められず、君は逝ってしまった。
僕も君と一緒に。ずっと一緒だからね。
僕は君を抱えたまま、マンションのベランダから身を投げた。
【君と一緒に】
初冬の晴れた気持ちの良い日を、小春日和と呼ぶ。これは冬の季語でもある。冬晴れという言葉は、小春日和とはもう呼べないほど冬が進んだ頃の、木枯らしが吹かず、空が澄み渡って暖かい日を指す。冬日和ともいう。
温暖化のせいか、雪も少なくなっているし、冬日和も増えてきている気がする。近くにスキー場があるが人工雪に頼らねばならない様子であるし、山の峰々は真っ白にまでは冠雪せず、山肌が若干見えている気がする。雪解け水を水源としているうちの県では、山に夏まで残る雪渓などは貴重な水源でもある。その雪が積もらない。夏まで残らない。これは危機的状況なのではないかと密かに危惧する次第である。
気持ちの良い冬日和でも、先を思って悲観的に考えてしまいがちなわたしである。
【冬晴れ】
小さい頃から幸せは自分で決めることだと思っていた。少女パレアナを読んだのはもっと後の話。
父は食事の席で酒をあおっては兄に暴言暴力を振るった。母は止めもせず見てみぬフリをしていた。暴言暴力は三時間に及ぶこともあった。父は自分の激昂に興奮してどんどんエスカレートした。殺されかねないと思うことも多かった。兄の次はわたしだ。実際に暴力を受けるより、目の前で見せつけられることが怖かった。
だから日記に毎日、「明日はもっと酷いから、今日はきっとまだ幸せ」と綴っていた。兄が殴られない日を記そうと思ったが、途切れることなく毎日続いた。
空が綺麗であれば、きっとわたしは幸せなのだ。
そう思い込もうと努力していた、小学生の思い出。
【幸せとは】
日の出前は寒い。夜の寒さが一段と増して、そして太陽が顔を出す。
神奈川県、某市某所は、満天の星が見られる隠れスポットだった。今は知らない。当時バイトしていた店の店長に連れて行かれて、空一面に広がる星空を見た。星が多すぎて星座が分からない上に天の川も見える。肉眼で、不自然に動いている人工衛星も見えた。
眺めているうちに星が徐々に薄くなっていって、空が白んできて、朝焼け色に染まっていって、寒さが急激に強まって、そして朝が、太陽がやって来る。
太陽が昇ると寒さは急にやわらいでゆく。
不思議だよね。
【日の出】
僕の抱負は、鳥になることだ。
いや、今でも既に鳥頭だけど。でも蛙よりはマシだと思う。蛙は飲み込んだ蜂に刺されて吐き出したあと、すぐにまた飲み込んで刺されるくらい記憶力がないんだって聞いた。
そうじゃない。僕は鳥のように自由になりたいんだ。
鳥からすればナワバリとか、全然自由じゃないかも知れないけど。人間よりは自由に見える。空をぐいぐい飛んでいる力強さとか、ああいうのに憧れる。
鳥には人間の決めたルールなんて通用しない。僕もまあ不道徳になる気はないけど、そこそこ自由にやっていきたいんだ。水の下で必死に水かきのついた足をバタつかせてスイスイ泳ぐ優雅な水鳥のようでもいい。力強く、自由で、優雅に見える、そんな僕になりたいんだ。努力は見せないのがかっこいい。
【今年の抱負】