親友が好きなやつに振られた。花火大会で告って、「考えさせて」って返事をもらったらしい。
そんで今日の放課後、もらった返事はNO。
女子トイレで私に報告しながら泣いてた。
帰り道に親友の愚痴を聞く。
私には初めて出来た彼氏がいて、失恋なんてした事ない。だから親友の気持ちなんて分からず、少し面倒臭いと思いながら親友の愚痴を聞き流す。
それでも、「これは今日の小説のネタになるな。」そう考えてしまった。
親友はこんなに傷ついているのに。
私って案外薄情だな。そう気づくと自分に嫌気がさした。
校門を抜けると冷たい風が私の心を冷やした。
秋の訪れと共に、自分の冷めた心に体が震えていた。
モノクロな世界に、君の声が色づいた。
何をやっても退屈で、つまらなくて、モノクロな世界に色なんてなかった。
世界も、匂いも、音も、全てがモノクロで味がない。
それでも、君が僕に話しかけるその声だけは、言葉で表しきれないほど鮮やかで、鮮明で、キレイだった。
僕のモノクロな世界は君によって色づいた。
もっと、君の色が欲しくて、もっと、君に喋って欲しくて、それでも君は僕とはあまり喋らない。
気まぐれで話しかけてはどこかへ行ってしまう。
ねぇ、僕だけに声を聞かせてよ。僕の世界に色をつけてよ。だから、僕だけのモノになってよ。
気づけば黒、白、灰色。全てのモノクロが君の赤い声に染まっていった。
永遠なんて、ないけれど。
人は永遠という言葉を使いたがる。
最大限に愛を伝える方法。そう思う人は多いだろ。
友情も、愛情も、永遠なんて無いに決まってる。
無い。そう、無いんだよ。
永遠なんて、そんなものがあったら…
アイツはまだ俺の隣で笑ってたはずなんだよ。
俺の相棒。よく笑って、何にでも一生懸命で、クシャッとした顔と深いえくぼが印象的で、それで………
今でもアイツを思い出す。急に命をたったアイツを。
置いてあった紙には「ごめん」ってだけ。
何が、何がお前をそうさせたんだよ。
永遠なんて、ないけれど、
お前はずっと俺に笑ってくれると思ってたのにな。
なんで泣いてるの?
そう問われても、私の感情が収まらないせい。としか答えられない。
悲しい。苦しい。辛い。嬉しい。幸せ。
涙にはいろんな理由があるけど、そんなモノの前に、自分の感情を自分で抑えられないから泣いてるんだよ。
ねぇ、貴方だってそうでしょ?
泣きたい時は泣いて良いんだよ。理由なんて関係ないんだよ。
自分を自分で制御できなくなった時は、もう限界なんだから。
涙の理由はどうでも良いでしょ?
貴方ってほんと意気地なし。
私をデートに誘って、さっきまでプラン通りのエスコートをしてくれてたはずでしょ?
それなのにこのカフェに入ってからどうしたの?
もじもじウジウジ。
さっきまでの紳士は一体どこに消えたの?
私の注文したホットコーヒーはずっと暖かいわけじゃないんだけど。
貴方はいつまでそう口をパクパクさせるつもりなの?
ショッピング、映画館、少し散歩をしてカフェ。
結構良い感じだったのに。なんでそうなっちゃうの?
貴方の口から聞きたいの。
貴方にその言葉を言ってほしいの。
ほら、早く。
私の気持ちとホットコーヒーが冷めてしまう前に。