自分のスマホの小さな画面に映し出された

配信ライブの「一人が待機中」という表示に

心の中で小さくガッツポーズをする。

そもそも一週間も前から待機するのは、

世間からしたらおかしなことであるのかもしれない。

でも画面の向こう側で誰かが待ってくれていると

本人が思ってくれてるのなら、それでいいのだ。

三日間一人で留守番をすることになった。

定刻になるとペットが餌を急かしてくる。

今日は雨かな。少し欠伸をした。

アイスクリーム食べたい。ついでに梅干しを添えて。

ハチミツ食べたい。ついでにバターを添えて。

一日が終わる頃に何も考えないようにした。

風を感じることはできないが、匂いは感じられる。

ソファの上で目を覚ます。原因は昨日の晩、

あと一曲だけ聴いたらベッドに向かおうと

イヤホンをつけたままスピッツを聴いていたが、

曲のサビに入る頃にはもう意識は無かった。

アラームをかけていなかったせいで、

いつもより一時間ほど遅く目覚めた。

急に音楽が爆音になったため、

思わずイヤホンを払いのけた。

イヤホンからはまだスピッツが流れ続けている。