常夜灯さえも眩しいと感じる。

オレンジ色の“それ”は、

まるでキャンドルのように小刻みに揺れている。

でもそんなはずはない。

そう、僕は泣いているのだ。

透明な蝋が溢れるほどではないけれども、

確かに僕は泣いているのだ。

目に見えないフィルター。

それは、ベッドに潜り込むと聞こえてくる音の正体。

ジェルのつけ過ぎで不自然に盛り上がった頭頂部を、

左から右になぞる。

今日の空気がだんだんと明日に変わっていく。

音が、髪が、左から右に流れる。

部活が終わった。正確には昨日終わった。

昨日は疲れていた。それはそのはずだ。

大会だったのだから。

二年前の先輩たちの言葉が自分の中で何度も何度も

思い返された。

多分、こういうことだ。部活が終わるって。

そろそろ学校へ行くか。

作り置きしておいた肉じゃがを

ガスコンロで温め直す。

ぐつぐつと煮えたっては弾けるその音に思い出した。

多分あれは、誰よりもあたたかい背中。

せめて大会の終わりくらいまでは生きていようかな。