アリア

Open App
12/27/2025, 3:07:47 PM


鏡なんて嫌い。
内側まで見過ごされてそうな
透き通る鏡が。
自分を映し出して現実を見せてくる鏡が。

自分の顔も
言動も
態度も
自信なんて無くて
いつだって心に不安を抱えて
生きて
生きて
疲れた顔を曝け出して


鏡の前でニコって笑った自分は
無理していて
凍てついた表情を映す鏡。


だれか
この表情を
心を
溶かしてくれたら


この凍てついた鏡も好きになれるのに


この腐った世界を好きになれるのに



お題【凍てついた鏡】

12/14/2025, 6:39:22 PM


将来の夢はなぁに?
ケーキ屋さん!
サッカー選手っ!
けいさつかん!


口々にみんなが手を挙げて教えてくれる。
ニコニコとそれをいい夢だねと頷いていれば
もじもじとしてる子がいて歩み寄る。

どうしたの?
あのね、えと


恥ずかしくないよ大丈夫、そう話しかければ
覚悟を決めたようにうなずくと


星になりたいの!


星、とても抽象的な夢だ。
それにあまり良い印象は普通ならもたない。
何故かと聞けばその子はニッコリ笑った。



ママと見たの!ながれぼしっ!
ママとっても笑顔で嬉しくて!



無邪気なその子の言葉にウルッとする。
いけない、今は仕事中。
その子の頭を優しく撫でるとえへへと照れくさそう。
あぁ、可愛い。
やっぱりこの仕事で良かった。
子供が好きで選んだから
苦しくてつらいこともあったけど
この笑顔を見たくてここまでやってきたのだと
再確認する。



みんなとってもいい夢。
よしじゃあその夢をお絵描きにしようか!なんて促すと思い思いにはーいと描き始める。



理由を聞けば素晴らしいエピソードが隠されているもの。頭ごなしに否定してはいけないこともある。
人の話はきちんと聞かなきゃいけないよ。
親の教えてくれたものがここで活きていた。
ありがとうなんて心の中で感謝をし、今日も子供達の話に耳を傾ける。



星になる。
それは死んでしまったらなるんだよ
そう教えるんじゃなく
将来は何にでもなれるんだよって
教えて行ける
そんな素敵な先生になりたいんだ。



お題【星になる】

12/7/2025, 6:10:41 PM



肌寒さがグッと押し寄せてきたこの頃。
腕を擦り空を見上げるとふわっと白い吐息。
それを見てあぁ寒くなったもんなとぼんやり考える。
雪でも降るのかなと思ったが乱層雲などなく、そりゃそうかと落胆した。
自分の住む地域は雪なんて稀。
積もるなんて夢のまた夢だ。
温暖化が昔より進行してるのだろう。


雪が降ったら何が出来るだろう?
雪だるまを作る?
かまくら?
それとも雪合戦?
雪うさぎもいいね。


いつかの夢はことごとく難しくなった。
将来も仕事も学業も
みんなみんな挑戦するも土俵に立てなかったり
挫折したり。
だから雪でも降って童心に帰りたいなって
そう思った。



それに


雪は君が好きだったから。
冬が好きで雪が好きな君が大好きだったから。



もう今は会うことはないけれど
さいごにみた君が笑顔になるような雪を
自分も好きになりたくて。



「…降ってくれよ」



今年こそ雪をこの目に見させてほしい。
そうすれば自分も笑顔で頑張るから。



いつもは嫌いだった雪景色。
今は見たくて溜まらない。



どうかもう一度
あの日の景色を今年こそ。







お題【白い吐息】

12/6/2025, 11:34:22 AM


【消えない
消えてくれない
いつまでも心に残り続けるこの灯り。
つらい 妬ましい
その灯りで照らしてくれるな
苦しくなる。

溢れる涙
怒れる表情】


『残って
残り続けて
いつまでも心に残り続けるこの灯り。
楽しい 羨ましい
この灯りで覆い尽くして
幸せなの。

溢れる涙
安らぎの表情』


【どうか】


『どうか』


【この悲しい思い出が】


『この楽しかった思い出が』


【お前に】


『あなたに』


【届きませんように】


『届きますように』


お題 消えない灯り

12/6/2025, 9:06:25 AM



世間はクリスマスムードで
街には色とりどりの電飾が飾られる。
並木道 駅 ショッピングモール
今は減ってしまったけど、
一軒家にもたくさん光っていて。
その横を歩いたり車で通り過ぎたり。


自分もそういった場所には何度か足を運んだ。
キラキラしたものが昔から好きだったから。
瞳に飛び込んでくるキラキラは目に焼き付き
写真の中に収まり思い出の中に仕舞われる。
その瞬間瞬間が大事で何度も何度も。


なんとなく大きくなってからもそうなるんだと思っていたけれどそんなことはなくその横を通り過ぎるだけ。
足を止めて見る余裕もなく
あぁ、今年も光ってるな、くらい。
それどころじゃ無くなったってのが正解だ。


大人になれば仕事もあり家庭も出来たりする。
子どもを授かればもう周りなんて気にしてられない。
もう少し大きくなってきたら落ち着くかな、なんて
淡い期待をして毎年通り過ぎていた。
今年もそうなるだろうと踏んでいたし、諦めていた。


「うわぁ」


先を行く子どもが足を止めた。
そして自分を振り返るとキラキラしたお目目で
花が咲いたように笑った。



「きれいだね!!すごい!!」



なにこれー!!とはしゃぐ子に
ポカンとした後(のち)
クシャリと破顔した。


「これはイルミネーション。
街をキラキラさせてみんなを笑顔にさせてくれる魔法みたいな光だよ」


「いるみ、ねーしょん…魔法!?」



「そう、でもねこれはクリスマスの時期にしかつかない特別なやつだから
サンタさんがおうちに帰ったら無くなっちゃうの」



「そっかぁ…。
あ!じゃあ写真撮ろうよ!いっぱいいっぱい!」



こっちこっち!と手を引かれポーズを撮って写真を撮っていく。久しぶりの場所で素敵な子と撮る素敵な瞬間。もやもやする心がブワッと一気に晴れる感覚に笑みを漏らした。



今年はいい年だった。
間違いなく。



だってこんなにも最高な瞬間があったから。



お題【きらめく街並み】

Next