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初めての瞬間は
特別なもの。
今日まで
色々なことを
乗り越えてきて
頑張って
苦戦しながらも
見守ってきたから
この日がとても
嬉しい瞬間なんだよ。
泣きたくなる瞬間もあるし
疲れたって日もあるけれど
初めてのスイーツを
食べてるその笑顔は
何物にも代え難いものだから。
パシャリと数枚の写真。
写真の中の君も今目の前にいる君も
とっても嬉しそうで
胸がいっぱいになる。
これからも君の成長を
見守っていくから
その笑顔はいつまでも
絶やさないでね。
あと数分で特別な今日にさよならするけど
この日のことは忘れないよ。
おめでとう
お題【今日にさよなら】
誰よりも貴方を愛して
誰よりも貴方が心配で
貴方が寂しくないようにと記したのは
私のお気に入りの
いつか一緒に行こうと約束した
人知れず建ってるあのお店のこと。
こんなこと書いたらきっと
貴方は寂しいに決まってると
涙するんだろうけれど
私が生きた証を感じてほしくて
本当ならそこにいたかった。
貴方の前で一緒にケーキを頬張り
一息つける紅茶を飲んで
優しい店員さんを自慢して
来てよかったでしょ?と
笑い合いたかった。
ポツリと零れた涙が手紙に滲みを落とす。
あぁ、書き直さなきゃ。
こんなぼやけた文字じゃ読めないもの。
駄目ね
貴方を想うと苦しくなって
涙が止まらなくなる。
こんな姿見せられない。
だって貴方も涙しちゃうでしょう?
誰よりも優しい貴方だから。
この失敗作は見つからないようにしなきゃね。
少しだけ口角をあげ笑みを作ると
ペラリと新品の便箋を取り出す。
さぁ、次こそはしっかりと。
拝啓 愛する貴方へ
ーーーーーーーーーー
書き始めた手は震え、啜り泣く声は
静かにと室内に響いていた。
お題【誰よりも】
玄関を開けると今まさにポストに投函しようとする
郵便屋さんの姿にペコリとお辞儀。
手紙と私を見比べると近づいてきて
本人確認をされて首を傾げながらも
当人ですと答えればどうぞと渡される一つの手紙。
郵便屋さんが去る気配がなく
裏を見れば私から私宛。
「…自分宛なのに郵便?」
不可思議な現象。
それ故に郵便屋さんも確認をしてきて
今困ってるのかもしれない。
「心当たりは?」
「…ない、ですね。
手紙なんて書いた記憶もなくて」
自分で書いたのなら記憶しているはずだ。
忘れっぽくはあるがさすがにそんな不思議な事をした覚えはない。
何気なく封筒から取り出して便箋を広げると
10年前の私へ、と目に飛び込んでくる。
「10年後…」
未来からの手紙なんて
誰が想像出来ようか。
誰かのいたずら?
でもこの筆跡は私のものだ。
到底信じられるものじゃあない。
手紙だけタイムスリップ?
じゃあこの目の前にいる郵便屋さんは?
そう考えた時酷く恐ろしく感じた。
困ってる?
本当に?
淡々としてるようにも見えたんだ。
この人は何処から来た?
本当に郵便屋さんなのか?
「…あの」
あなたは一体、と呟くと
郵便屋さんは帽子をクイッと上にあげ
私を見た。
「…生きて」
「え」
「苦しくても周りを見たら
絶対助けてくれる人いるから」
生きて
その一言が酷く重くて
悲しげに聞こえて
胸が苦しくなった。
「…それは、見ないほうがいい」
それだけ伝えると郵便屋さんは私の前から
去っていった。
霧に包まれるかのように一瞬で。
残された手紙と
見るなと残された言葉。
そして生きてと言われたこと。
さっきチラッとだけ見えた単語に
想定できるものは。
「……そうか…【私】は諦めてしまったんだね」
疲れて
苦しんで
誰かに助けを求める事も出来ず
だからあの人はきっと私の知ってる人で
未来から私へ伝えに来たんだ。
手紙を胸の前でギュッと抱きしめると
あの人が消えた方向を見つめて
ありがとうと呟く。
ふと空を見れば
綺麗な黄昏。
不思議な事が起こってもおかしくない
逢魔ヶ刻だ。
約束する。
生きるよ。
だからこの手紙は開けない。
この手紙は
人生を諦めた【私】が遺したものだろうから。
お題【10年後の自分から届いた手紙】
「ねぇねぇもうすぐだね」
そう言った君はニコニコしていて
眉根を寄せる。
なにが、そう言えば決まってんじゃんと。
今月は2月だよ
イベントあるでしょ!
なんて言われてため息をつく。
友人は何かしらイベントが好きらしい。
「…今年は何作るの」
一応聞いてみればパッと花が開いたように
笑ってガトーショコラと答えた。
またずいぶん手のこったものを。
毎回毎回作っては渡して
楽しんでいる。
「そっちは?なんも作んないの?」
「誰もがみんなチョコが好きなわけじゃないんだよ」
「え、うそチョコ駄目なの可哀想」
友人に悪意は無かったんだろう。
純粋にチョコが好きだから出た言葉だったのかもしれない。
それでも可哀想という一言は何故かモヤッとした。
誰もがみんなこのイベントを待ち遠しく感じてる訳じゃない。無くてもいいと思ってる人さえいる。
要するに気持ちを伝えるのにちょうどいいイベントなんだろう。
「…別にチョコじゃなくても変わりのものあげてるから」
ちょっとの反論に友人は瞬きした後、確かに…その発想は無かったやと呟き両手を胸の前で合わせてごめんと謝ってきた。
こういうところが嫌いになれない理由なんだよね。
友人は悪いと思ったら素直に謝れる質なのだ。
いいよ、ムキになったごめんと自分も謝れば仲直り。まぁ喧嘩だったわけじゃないが。
誰もがみんな頑張って
気持ちを伝えるために動いてる。
誰もがみんな幸せを掴もうとしている。
それなのに自分はその誰もがから少し外れてる気がして。みんながみんなじゃないんだよと伝えたかったのかもしれない。
頑張ってないわけじゃない。
幸せだってほしい。
でも世間の一般論を押し付けないで欲しいと
そう思った。
流行に乗れなくたって
みんながやってることをやってないからって
こうすべきだなんて決めつけないで。
「…和菓子作るからさ、手伝ってくんない?」
「和菓子!いいじゃん!やろやろ!」
甘さ控えめ出来るかな
そう控えめに言えば友人は出来る出来る!
砂糖の量を調節しよ!
なんて腕まくりをしながら嬉々として笑った。
そういう道だってあるから。
それを受け入れてくれる人がいるから。
自分はこの世界でも生きていける。
否定する人生より
それもいいよね、なんて肯定する人生のが
楽しいかなって
そう思うんだ。
お題【誰もがみんな】
どこにも書けないってことは
心に留めておきたい話題だってこと。
だからそれがナニなのか
此処にもSNSにも書かない。
嬉しくて自分の中に留めておきたいこと。
悲しくて言えないこと。
人間だもん。
たくさんあるよ。
それをグッと堪えて一歩一歩踏み出す
君はえらい。
私もえらい。
苦しくなったら泣いてもいいんだよ。
泣かないで、なんて自分の心に
鍵をかけちゃうから。
頑張りすぎないで。
心が壊れちゃうから。