「向かい合わせ」
あなたがずっと小さい頃は、外食に行っても隣に座って、ひたすらお世話してた。
あなたに食べさせるのに精一杯で、自分のご飯を食べられる頃には、もうすっかり冷めてた。
あの頃は自分の食べたい時間に、温かいご飯を自分のペースで食べたい、って思ってた。
たま~にゆっくり食べられる時があると、最高の贅沢だと思ってた。
そんなあなたも大きくなって、いつの間にか向かい合わせで座るようになった。
メニューも料金も大人になって。会話も一人前の様な顔をして。
洋服も、いつからか子供服じゃなくなってた。
あの頃はただただ毎日が精一杯で、早く大きくなって欲しい、って思ってたけど、いざこうなると、嬉しいけど、少し淋しい。
いつか、あなたに身長も抜かされるのかな。そんな日が来ると良い様な、良くない様な。
又この先は今までと違う心配や悩みが出てくると思うけど、ずっとあなたの味方だからね。
これからも宜しくね。
「やるせない気持ち」
昨日恋を失った。
生まれて初めて、本当に胸って痛くなるんだ、ってわかった。呼吸も苦しくなるんだって知った。
切ないとか、苦しいとか、辛いとか。
言葉は沢山あるけど、この気持ちをどうあらわせばなんてわからない。
ただ、淋しい。悲しい。虚しい。辛い。苦しい。
とれだけ言葉を重ねても、上手く言えない。
いつかはこの気持ちも、「あの頃は若かったから」って笑えるんだろうか。「あなたと出会う為のステップだったんだよ」って言える人に出逢えるのだろうか。
わからない。何も考えられない。
ただ、やるせない。
「海へ」
一人で夜の海に来た。
波の音と、時々混ざる車のエンジン音。
日常生活のちっぽけな事なんて、些末な事だと思えてくる。
嫌な事も全部海に流せればいいのに、って思うけど、結局波が又戻して来る。手放したい物程戻ってきてしまう。
結局全て自分で処理するしかないんだよね。いい事も、悪い事も。
でも、何が起こるかは自分で決められないけど、起こった事をどうするかは自分で選んで、自分で決める事が出来る。
それは、辛い事だけど、幸せな事だと思う。
あ~、明日から又頑張ろう。
「裏返し」
子供はよく服を裏返しにして着てる。
後ろ前に着る事もある。
柄物に柄物を重ねたり。
でも、それすらも愛おしい。
鈍臭くて、可愛い。
······と思ってたら、夕方になってジャケットのインナー裏返しだった事に気づいた······
可愛くなくて、ただただ鈍臭いだけだった。
何だか切なかった······
「鳥のように」
鳥のように飛べたら、気持いいだろうな。
って思うけど、ふと思い出した。
以前に大雨、大風の日に、海の横の断崖を車で走ってた時の事。
陸から海に向かって風が吹いてて、運転してても車を持っていかれそうな日だった。
海から陸に向かってカモメが一心不乱に羽ばたいているんだけど、風が強すぎて羽ばたきながら押し戻されてた。
私も運転にいっぱいでその後どうなったかはわからないけど、「どんな生き物も生きるって大変だな」としみじみ思った。
ただそれだけなんだけど、ふと思い出した。