「届かない……」
どれだけ手を伸ばしても、私の手は貴方に届かない……
あと少し。その距離が堪らなく遠くて。
皆の人気者で、皆に愛されてて。
いつも貴方は人の真ん中で笑っている。
私は、そんな貴方を遠くから見つめる事しか出来なくて。
声をかける事も出来ず、ただ貴方をひっそりと見つめる毎日。
貴方の周りに居る、あの子達の様に華やかで、煌びやかななら。
そうしたら、臆せずに貴方に話しかけられたのだろうか?
あの子達の様に明るければ、貴方と笑い合えたのだろうか?
現実には叶わない夢ばかり見ながら、届かない気持ちを、手を、貴方に伸ばし続ける。
いつか、届く日を夢見て。
そうして願い続けて……
そして、迎えた今日。
色んな事があったけど。
今日からは又2人の違う未来が始まる。
これからも、末永くよろしくね。
「木漏れ日」
木漏れ日に照らされた貴方が、私に微笑みかける。
この一瞬が、永遠に続けばいいのに。
「ラブソング」
ラブソングを聴きながら、貴方を思い出す。
あんな事があったな、こんな所にも行ったよね、あんな事を言われたよね。
貴方との思い出がいちいち蘇る。
貴方との思い出は、嬉しくて、優しくて、切なくて、哀しくて、全ての感情が大きく揺すぶられて、一瞬であの頃の自分に引き戻される。
歌って凄いな、ってつくづく思う。
歌だけじゃない。
映画も、小説も、絵も、全て。
見るだけで、聴くだけで、感じるだけで。
全ての記憶や五感が刺激され、心の奥深くから何かが顔を出す。
それは、思い出だったり、新鮮な発見だったり、忘れていた郷愁だったり、その時々によって溢れて来る物は違うけど。
でも、その全てがきっと自分にとっては大事な事だと思う。
だから、これからも、歌や他の物に揺すぶられる自分で居たいと思う。
傷つかないけど、心が動かない自分にはなりたくないから、傷付いても強く正しく生きていける自分で居たいと思う。
「手紙を開くと」
母からの最後の手紙を開くと、愛情が沢山詰まっていた。
幼い頃からの思い出。私に対する感謝。今後の心配。
全てが、私に対する愛情だった。
口煩いと思った時期もあった。
鬱陶しくて、反抗して距離をとった時期もあった。
お互いに主張が強い性格だから、お互いに譲れず諍いになる事も多かった。
母が余命宣告されてからやっとお互い素直になれて、普通の親子みたいに仲良くなれて、少しずつ親孝行も出来ていたのに。
でもその時間は短く、満足に恩返しも出来ない内に最期の時が来てしまった。
そして渡された、最後の手紙。
痛い程の愛情を感じた。
一体どうやってこの愛情に報いればいい?
どうやって、きっと足りない。届かない。
でも、私が今後の人生を精一杯生きて、幸せな人生を歩む事が母が一番喜ぶ事だと思うから。
だから、空から見ててね。
私は、貴方からの愛情を胸に、幸せに生きていくから。
「すれ違う瞳」
貴方と私の視線は交わる事がなく、瞳も心もすれ違ってしまう。
ついこの間までは交じり合い、重なり合い、通じ合えて居たのに。
この切なさに、いつかは慣れるのだろうか。
その時の私は、今と同じ私で居られるのだろうか。
解らない。
何一つ解らないけど、でも、貴方を愛した事を、愛した自分を誇りに、どこか一つでも。
成長した自分であれば、この苦しさも、無駄ではなかったと思えるのかもしれない。