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6/17/2025, 11:05:15 AM

「届かないのに」


side.A
もう誰にも私の声は届かないのに。
声も涙も枯れ果てて、どれだけ叫んでも、誰にも届かないのに。

それでも私は叫び続ける。
「誰か、気づいて。私はここにいるの!!」
「誰か。お願い!!ここから出して!!」
「お願いだから、誰か!!」

私がここに閉じ込められて、一体何日経ったのだろう?
気がついたら、ここに閉じ込められていた。

一体私が何をした?
いつも、人の事を考えて生きてきた。
困ってる人は助けてきたし、恵まれない人にも施してきた。
そりゃあ、どれだか気をつけても生きてく上で誰にも迷惑をかけないなんて出来ないから、多かれ少なかれ誰かに恨みを買ったかもしれない。
でも、ここまでされる程の事を誰かにした覚えはない。
私が、一体、誰に何をした?

最初の頃はそう自問自答しながら、考えてた。
でも、どれだけ考えても解らない。
私のせいじゃないの?
誰でも良かったんじゃないの?
そう思ったりもして、考えは行きつ戻りつ。

そして、ただ時間だけが過ぎて行き。
もう、今の私は何も考えられなくなった。
ただここから出たい。それだけで。

そして、誰かが、気づいてくれるかもしれない、一縷の望みにかけて、誰にも届かないかもしれない声を上げ続ける。


side.B
苦しめばいい。悩めばいい。
貴方が私にした事を考えると、これでもまだまだ足りない。
貴方はいつも日向を歩いていた。
その影に、私を踏み台にして。

いつも、悪気なんかない。
むしろ、常に人を思い遣っている態度を崩さず、正義感に溢れた顔をして。

でも、貴方の善意はいつも優越感と、偽善と、憐憫に溢れいた。
決して、本当に人の事を考えていなかった。
むしろ、下げずんでいた。

「私じゃなくて良かった」
「この子と比べると、私って随分恵まれてるよね?」
「こんな子にも優しく出来る私って、凄くない?人間出来てるよね?」

言葉にはしないけど、表情が、態度が、物語っていた。

どれだけそれが人を傷つけるか。
どれだけ人を惨めにさせて、生きる気力を奪うか。

悩めばいい。
苦しめばいい。
そして、「私は、正しい」そう思ったまま、朽ちて行けばいい。


side.C


人ってホントに愚かで、憐れ。

あの子も別に悪意はなかった。
ただちょっと優越感を持ちたかっただけ。
自分に酔いたかっただけ。

そして、あの子も。
不幸が重ならなければ、あの子にされた事も、されたとは思わず、してもらったと思えただろう。
少しの引っかかりを感じたとしても、それを悪意とまでは思わないだろうし、恨む事も無かっただろう。

ちょっと見方を、考え方を変えるだけで。
黒が白になり、悪意は善意になり。
誰にも害がないなら、良い風に受け止めれば皆が幸せを感じられるのに。

でも何故か?
自分のした事の悪意には目を瞑り、人の善意にも目を瞑り。
人を恨み、羨み、自分を正当化し。

ホントに人は愚か。
だからこそボク達悪魔の仕事が捗るんだけどね。

6/16/2025, 11:54:08 AM

「記憶の地図」


もし記憶に地図があるなら、思い出したくない記憶は僻地に追いやって、覚えていたい事だけを真ん中に置いた地図に出来ればいいのに。

そしたら、悲しい事は目に入れず、楽しい事だけを見て、思い出して生きて行けるのに。

例えそれが成長を遠ざけるとしても、今の私にはそんね余裕もなく。
だから、ただ、忘れたい。
貴方の事も、貴方との想い出も。
記憶の地図の彼方に、追いやりたい。

6/15/2025, 10:19:58 AM

「マグカップ」


今日私はこの部屋を出て行く。
貴方と過ごした日々も、貴方との想い出も、全てを置いて出て行く。

好きだったよ?
幸せだったよ?

でも、私は自分の夢を諦められない。
愛があれば距離なんて、とか。
愛さえあれば乗り越えれる、とか。
口にする事は簡単だけど、実際に自分は我慢出来るとしても、相手にそれを強いる自分では居たくない。

貴方と夢を秤にかけて夢を選んだ時点で、私は貴方に何もしてあげられない事が分かって、貴方に何も言えなくなった。

きっと、今までの恋で一番だった。
初めて、愛って、もしかしてこんなの?って思えた。

でも。
私は夢を選んで、この家を、この街を、出て行く。

後悔もしないし、ホントは未練なんて何一つ残したくないけど。
でも、この貴方とお揃いのマグカップだけは。
ひっそりと置いていくね。

捨ててもいい。
でも、取っておいてくれて、一瞬でいい。
これを見て私を思い出してくれたなら。

きっと私は後悔の海に沈み込むだろう。
でも、それでも。
勝手だけど、貴方に覚えていて欲しいの。

勝手な私でゴメンナサイ。
狡い私でゴメンナサイ。
立つ鳥跡を濁してゴメンナサイ。

貴方を傷つけてゴメンナサイ。
こんなに気持ちを残したまま、旅立ってゴメンナサイ。

でも、行くの。
なかなか最初の一歩が出ないけど、でも、行くの。

さようなら。
有難う。
大好き。
ゴメンナサイ。

6/14/2025, 10:43:24 AM

「もしも君が」


もしも君が居なくなったら、なんてふと考えて、怖くなる。

若い頃の私は割と荒れた生活をしていて、自暴自棄になっていた部分もあったから、正直「怖い物」ってなかった。
いつ死んでもいい、って刹那的な生き方をしていたし、心残りになる程執着する物もなかった。

それが君が生まれてから、自分よりも大切に思える存在が出来て。
初めて失う事を怖いと思った。
世の中の人って、皆こんな怖い思いを抱えて生きてるんだ、って思ったら、それまで自分が強さだと思っていた物が、ホントにちっぽけで、馬鹿らしく思えて。
自分の馬鹿さ加減に、世間知らずさに、もう笑うしかない程だった。

そして、今でも時々考える。

「もしも君が」
生まれなかったら、私の人生は間違えたまま違う方向に突き進み、何処かで馬鹿な死に方をしていたと思う。
それが、君が生まれてきてくれた事で、こんなにも怖い事を知り、失う痛みを想像してやり場のない不安を感じて。
そして、生きがいを、生きる理由を感じる事が出来た。

「もしも君が」
ずっと幸せで居てくれて、君の人生の最期の時にも、「私幸せだったよ」って言える人生を歩んでくれたなら。
そんなに嬉しい事はないと思う。

苦労してもいい、傷ついてもいい、悩んでもいい。
最終的に君自身が幸せと思える、納得出来る人生を歩んでくれるなら。
それだけが私の今の望みで、きっと、何よりも私の幸せだと思う。

心より願う。
君に、幸あれ。

6/13/2025, 12:53:50 PM

「君だけのメロディ」


ちょっとした一人言や、失敗した時に出る「ヤバっ」て声すらも、君の口から奏でられれば、一つのメロディーになる。

ちょっとした仕草や、ふとした時に見せる表情も、全てが絵になり、舞台のワンシーンを観てる気になる。

それは多分、僕が君を堪らなく好きだからだと思うんだけと……照れくさいから、君には言わないておこう。

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